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ニューヨークのコミュニティが作られる不動産所有のカタチ

富谷薰2017.3.7

アメリカきっての大都会ニューヨーク。摩天楼と絶えず変化し続ける街には、世界中から意欲ある人たちが集う、世界の中心とも言える大都会。
そんなニューヨークにおもしろい不動産所有の形態があり、ぜひ紹介したい。

日本では、分譲マンションの所有は区分所有権と言われ、土地はマンションの所有面積に応じた共有持分を保有し、建物は購入した空間の所有権を有する形だが、ニューヨークではどうやらちょっと違うタイプのものが多いとか。

そして、築年数が古い物件を中心に、コーポラティブ(Corporative)、略してCoopと呼ばれる所有方式のマンションが実に多いのだ。アメリカ東海岸の主要都市に多く、なかでもニューヨークは特にCoop方式の物件が多い。マンハッタン、ブルックリンなどではCoop方式のほうが遙かに量が多く、流通量も多い。

保有方式が違う訳は、土地と建物を保有する株式会社があり、その株式をオーナーが持つという方式なのだ。自ら保有する面積に応じた議決権をもち、会社の運営を行うと言うスタイル。日本の発想では出てこない考え方だが、所有者、つまりオーナーは同じ会社の役員ということ。実際には、Board(役員会)が作られていて、Boardにより、購入、売却、賃貸が決定されると言う図式。Boardから承認を得ないと購入、売却、賃貸はできないのだ。

また、物件によって管理規約が契約社会のアメリカらしく、事細かく決められており、私が実際に見た管理規約は、なんと100ページを超えていたわけだが、築90年、元がホテルでCoopとして運用されたのが70年前。その当時からの継ぎ足しや修正が重ねられて100ページを超える管理規約になったという。

しかも、賃貸は不可(オーナーが暮らすことに限定)であったりそうでなかったり、セカンドハウスとして利用することが許可されているものもあれば禁止されているもある。売却は特定の条件が付されていたり、物件によって実に様々。ローンが付く、付かない、付くけど限度額が8割のものもあれば、5割というものもあり、物件によって実に様々。

Property Taxと言う形ではないが税金や管理運営費は日本の水準対比高額になっており、ドアマン、コンシェルジュ、配管等が弱いので専属修理人など、多くの人が張り付いて管理していることも一因。

人種のるつぼと言われるニューヨーク。都会の真ん中で、ホテルのような暮らしから発展したCondo、Coop。建物での暮らしをともにする住人たちから作られるコミュニティ、外界から自らの建物やコミュニティを守ると言う発想が根底にある。

アメリカは、いわゆる治安が良いエリア、公立学校の質が良いエリアは、自ずと価格や賃料が高く、そしてProperty Taxや管理運営費も高く、高いがエリアの治安や教育の質に直結している事情がある。それ故に、コミュニティや街の価値というものが重視されていることも要因かもしれない。

日本では、区分所有権として、土地は共有だが室内は自分のモノという意識が強すぎるが、マンションというコミュニティの価値、価値を守り、持続させて行くという発想がひろがれば、新しい暮らし方につながるかもしれない。

実際、東京都心の一部のヴィンテージマンション街は、立地、プランニング、植栽などの良さに加え、培ってきたコミュニティの価値から、今でもまったく古びない、価値が下がるどころか、ますます価値が増大する物件もあるのだから。

IDEAS/COMMENTS

Nasu Takeshi
NYの不動産でなんだろうと思っていたCOOP。そんな仕組みだったんですね。日本にはない発想だと思いますが、既存の管理組合を会社化されたものであり、組合員である住民(所有者)が株主というかオーナー、と言う感じなんですかね。
2017年3月7日 16:18
Asami Endo
勉強になりました!今日、ご案内したお客様がロンドンに物件を所有しているのですが、ロンドンは売りに出せば瞬殺で申込が50件くらいはいって、まさに取り合いな状態になるそうです。内見はそこそこに(修繕箇所等あっても構わない、それは別に後から直すからOK)すぐ申込入れられる感覚がすごいなと思いました。国によって不動産の買い方、考え方って全然ちがうんですね。面白いです。
2017年3月9日 11:03
Nasu Takeshi
ロンドンのほうがさらに競争激しそうですね。直すのが前提ですしね。
2017年3月10日 14:26
ハロー!したユーザー
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