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“暮らしと観光の共存“を掲げた新しい地域活性化のかたち「龍野まちごとホテル」を兵庫・龍野から

ハロリノ編集部

こんにちは! NPO法人ひとまちあーとの木元です。私がかかわる「龍野まちごとホテルプロジェクト」についてご紹介します。

舞台は兵庫県たつの市にある龍野城下町。武家屋敷や醤油蔵といった昔ながらの歴史が残る町並みとフレンチやパン屋などの新しい店が点在する新旧が調和したエリアです。2019年には国内に123地区ある重要伝統的建造物群保存地区(重伝建地区)の一つに選ばれました。

ここで始まるのが「龍野まちごとホテルプロジェクト」。エリア全体をホテルに見立て、空き家ストックの一つひとつを客室にすることで、“暮らしと観光が共存する新しいスタイルの観光地”をつくり、龍野の魅力を発信していきます。

プロジェクトメンバーは、市民出資で設立されたまちづくり会社「緑葉社」代表であり、NPO法人ひとまちあーとの代表理事でもある畑本康介と、「龍野」を新たなカタチで継承していくライフスタイルブランドや古民家ホテル運営、地場産商品開発を行う「masumasu」代表のアーデン歩を中心とするチームです。

「暮らし」と「観光」の共存を全国の方と考える

このプロジェクトが目指すのは、「暮らし」と「観光」が共存する場づくり。観光客に城下町で“暮らす”ように滞在してもらえるよう、住民が毎日立ち寄る店と観光客が滞在する宿を併設させる計画です。

そこで4月3日、第2回オンラインイベントを開催。地域内外の多様な人が楽しめる“新しいスタイルの観光地“づくりを実現できるよう、「龍野まちごとホテルプロジェクト」で既に1号棟をオープンさせている「城下町古民家ホテルkurasu」の2号棟の企画を考えました。配信会場は町の中心「龍野城」から徒歩2分ほどの「大正ロマン館」にある“たつののアンテナショップ”「クラテラスたつの」。会場にはプロジェクトメンバーとゲストスピーカーが集まり、オンラインでは関西を中心に全国から20名ほどの方に参加いただきました。

龍野で暮らし、商いを営む方をゲストに招き、龍野を応援したい全国の方と「城下町古民家ホテルkurasu」の2号棟をどのような場にしたらいいかディスカッション。“新しいスタイルの観光地”づくりに興味をもつ人と一緒に企画から考えることにより、オープン後も多くの方に愛され、地域活性化のために長く利用してもらえる拠点を目指します。この5月にもクラウドファンディングを実施し、資金を募っていく予定です。

ゲストスピーカーは龍野在住で地域の商いにもかかわりある3名。惜しまれながらも閉店した「かたおか食料品店」の息子さんと結婚された片岡真美さん、大阪からIターンで祖父の運動具店をパン屋として復活させた中山さやかさん、家族4人で龍野に移住して夫と二人三脚でフランス料理店を今春オープンさせる長野澪さん。(4月14日オープン)

3名とも、商店メンバーとして「龍野」の発展に寄与しながらも、家族の暮らしを支えるという両側面を持ち合わせています。さらに畑本、アーデンも登壇し、地元ならではの視点でトークに参加しました。

町のありのままの魅力を伝えるには

龍野地区は2019年に重伝建地区に選定されたことで一層観光客が増えましたが、住民も商店主も口をそろえていうのは「風情豊かな町並みをゆったりと楽しんでほしい」ということ。そこで“住民の方が感じる町の魅力“を聞いてみました。

イベントでゲストに龍野の魅力を聞くと「コミュニティと人のあたたかさ」といいます。

ゲストスピーカーとして参加された長野さん、中山さん、片岡さん(左から)

「龍野は便利で“ちょうどいい田舎”。晩御飯のお惣菜を持ってきてくれるおばちゃんや子どもたちのことを気に掛けてくれる近所の方などあたたかい人が多いんです」と笑顔で龍野の魅力を語る片岡さん。彼女のお義父さんは5年前まで「かたおか食料品店」を城下町で営んでいました。城下町の真ん中に位置した便利な立地もあって、日用品を買えるお店として地域の方に親しまれていました。夕飯の材料を買いに来るママさんや学校帰りの学生が出入りする地域の交流の場になっていました。

地域の方の交流の場となっていた「かたおか食料品店」

また、中山さんのお店はオープンして1周年を迎えるそうですが、最近小学生が一人でパンを買いに来てくれるようになり、地域に認知されてきたことを喜んでいました。
移住して間もない長野さんは、近所の方が育児や出店準備で忙しいだろうと声を掛けてくれることに、住民のあたたかさを感じていると話してくれました。

どんな場所をつくる? 暮らしそのものが「観光資源」

地域の方が感じている「住民のあたたかさ」を観光客の方にも感じてもらえるような古民家ホテルのかたちとは何か。「龍野まちごとホテルプロジェクト」の客室の1棟となる「城下町古民家ホテルkurasu」2号棟はお店も併設する予定のため、「ホテルにどんなお店があれば龍野らしい魅力を体験できそうか」についてオンラインで参加した方も含めてブレストを行いました。

  • 自然を楽しみに来る人が多そうなので、サイクリング、ハイキングをする人が使いやすいお店があると立ち寄って交流が生まれそう
  • かたおか食料品店のようなお店。城下町のお店にお金を落とし、道の駅のように日用品も名産品も買える場所
  • 河川敷のグラウンドを使う人が休める場所にする
  • 歴史ある龍野らしく茶会を楽しみたい
  • 謎解きイベントをできる場所に
  • 町を楽しみながらワーケーションをしたい。コワーキングスペースがあればいい
  • 発酵に関するイベントを楽しみたい
  • 地域の銭湯を楽しめる仕掛けがほしい
  • 人力車や市民学芸員など町や歴史を案内してくれる人がいるといい
  • 地域の作家さんのギャラリーを見てみたい

緑葉社で城下町の古民家を扱い、移住者や出店者のサポートも行う畑本は、「現在60軒の物件を管理しており、今後も出店数・管理物件数は増加見込みです。大切にしているのは“暮らしそのものが観光資源”ということを出店者に伝えること。今日のイベントを通じて、いまあるお店や地域の活動自体に大きな価値があるということを認識できました。観光客の方に、こうした価値をいかに伝えていくか、その仕組みづくりをみなさんと一緒に進めたい。出店者も観光客もその良さに気付き、最終的には龍野に暮らす人が増えることにつながってもうれしい」と全国のオンライン参加者に語り掛けました。

町全体の活性化を

3月にオープンした「城下町古民家ホテルkurasu」1号棟は、オーストラリアでデザイナーとして活躍しながら二つ星レストランで接客業を学んだ後、日本に帰国し、現在2児の母という経歴をもつ、masumasuの代表、アーデン歩がプロデュースしました。海外生活で得た柔軟な発想と日本の「和」の心を併せ持つ彼女の感性が生かされています。

「古民家ホテルの室内は、あたたかく静かで趣きある空間に仕上がっています。宿泊されるお客さまには、城下町の飲食店でお食事をとってもらい龍野の町全体を楽しんでいただきたいです」とアーデンはいいます。

オープンしたばかりの1号棟「148kawaracho」。予約のお問い合わせが既に多く届いているとのこと

龍野に来た人は口をそろえて、「龍野橋を渡ると、空気が変わる」といいます。鶏籠山(けいろうざん)と揖保川の豊かな自然や年月を重ねた町並みが、訪れる人の心を落ち着かせるのでしょう。

畑本が話したように、この町には住民が守り続けてきたものがたくさん残っています。形には残らない慣習や文化も含めて、アーデン歩が手掛ける古民家ホテルは「龍野らしさ」を醸し出しています。1時間半という時間はあっという間でしたが、みなさんからの意見やアイデアを今後のプロジェクトに大いに活かして進めていきたいと思います。

この記事を読んで「龍野まちごとホテルプロジェクト」に興味を持っていただいた方はぜひ、今後のイベントにもご参加ください。オフライン、オンラインともに企画をしているので、みなさんが龍野の魅力を満喫しにお越しくださることも楽しみにしています。

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※文化庁ウェブサイトの重要伝統的建造物群保存地区一覧より(数字は令和2年12月23日現在)
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/shokai/hozonchiku/judenken_ichiran.html

 

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