預託金(デポジット)口座と投資型クラウドファンディングを分かりやすく説明します
ハロー! RENOVATION(ハロリノ)は、2022年7月に、預託金口座(デポジット口座)を開設しました。ハロリノのマイページよりご利用いただける預託金口座について、背景となるファンドの種類と法律に触れながらお伝えします。投資いただく際の参考にしてください。
投資型クラウドファンディングと許認可
ハロリノでは3年〜5年をかけて、空き家・遊休不動産を再生する事業がどう成長していくかを見守っていく「投資」を募っています。みなさんと一緒に応援しながら、共感度の高いプロジェクトになると事業はきっとうまくいくと考えています。
ハロリノで資金調達を行うクラウドファンディングは、多くが「投資型クラウドファンディング」に該当します。クラウドファンディングの種類は、大きく購入型、寄付型、投資型の3種に分類されます。利用者が最も多いのが「購入型」でしょう。応援する際のリターンは、Tシャツやチケットといった「もの」との交換ですね。全くリターンを求めないのが「寄付型」。ハロリノは「投資型」。投資型のリターンは投資金額に応じた利回りの分配です。ハロリノの「投資型クラウドファンディング」では、長期的だからこそ、同様の事業をされたい方が学びを求めて投資されることもありますし、ESG投資に関心のある方も投資いただいています。
投資を募集するには、クラウドファンディングの場合でも、国土交通省や金融庁の許認可が必要です。ハロリノを運営するエンジョイワークスは、国土交通省の許認可「不動産特定共同事業の1号、2号、3号、4号」と、金融庁の許認可「第二種金融商品取引業」と、幅広いスキームのファンドに対応すべく資格を有しています。投資対象が不動産そのものならば不動産特定共同事業ファンドの対象で、リターンの源泉が賃貸等の不動産収益に限定されます。投資対象が物販、飲食の売り上げ等の事業であるなら、第二種金融商品取引業ファンドの対象となります。投資いただく際にも、投資対象が何なのかはおさえておくべきでしょう。
空き家、遊休不動産を再生し、事業が立ち上がるよう、専門スタッフが、事業計画と適切なスキーム設計、資金調達をサポートすることで、みなさんに応援いただくファンドが立ち上がります。投資型プラットフォームの運営や、投資ファンドを募集するには、資格が必要で、安全な取引が行われるよう、ルールが整備されています。
預託金口座利用の目的
預託金口座(デポジット口座)は、投資前に資金を安全に預けておくために設定される口座です。投資資金を預けるものであり、分配金を受け取るためのものです。投資いただくみなさんにとって煩雑にならないよう、投資の手間を軽減するためにあります。投資の都度、指定口座への振り込み手続きが不要となります。また、分配金や出資金の返還を受け取る都度に振込が発生しない為、振込手数料を削減することができます。
プラットフォーム(ハロリノ)としては、預かり資産への被害・損害が生じないようにするために、プラットフォーム運営者と投資家との資金の「分別での管理」が求められており、預託金口座はこれに対応しています。預託金口座に預けられた資金は、さらに預託金管理用に開設された信託銀行の口座に移され、プラットフォーム運営者の信用リスクと切り離された形で保管されます。
関連する法律として、不動産特定共同事業法には、「分別での管理」の記載があります。
「11. 分別管理の徹底及び金銭の預託(規則第49条第2項)(1)第二号事業又は第四号事業に係る不動産特定共同事業者が電子取引業務する場合において、当該電子取引業務に関して事業参加者から金銭の預託を受けるときは、当該不動産特定共同事業者は、規則第49条第2項各号に定めるところにより、当該預託を受けた金銭と自己の固有財産とを分別して管理する必要がある。(https://www.mlit.go.jp/common/001283702.pdf )」
ハロー! RENOVATIONでの預託金口座利用の種類
投資家登録を行った後、投資しようとする際に、投資家専用の振込口座番号が発行されます。ハロリノでの預託金振り込み口座は、GMOあおぞらネット銀行と連携します。発行された口座番号に、ご自身の銀行口座から振込を行うことができます。デポジット口座を利用可能な募集中のファンドは、画面上にファンド名が表示されます。
先に触れたクラウドファンディングの種類と許認可によって、申し込みの流れも変わります。3つを見てみましょう。
1)不動産特定共同事業1号スキーム
預託金口座(デポジット口座)への入金は必要ありません。申し込みは、申し込み画面で前書面を確認いただき、投資口数を入力いただきます。ご自身の銀行口座から振込いただきます。投資いただいた後に、各種書類をマイページで閲覧できるようになります。
不動産特定共同事業1号スキームは、ハロリノを運営する企業(取扱者=エンジョイワークス)のプラットフォーム上で、同じ事業者(営業者=エンジョイワークス)によるファンドの出資募集を行います。これまで、葉山泊まれる蔵ファンド(The Bath & Bed Hayama)、鎌倉・旧村上邸再生利活用ファンド(村上邸)、京都五條楽園エリア再生ファンド(UNKNOWN KYOTO)などが該当します。
1号スキームの具体例(鎌倉・旧村上邸再生利活用ファンド)
2)不動産特定共同事業2号スキーム
預託金口座(デポジット口座)をご利用いただきます。資金調達する事業者が小規模不特事業者の場合は、法律上、同じ事業者が組成するファンドへの投資総額に100万円上限の制限がかかります。預託金によって、この制限に沿った投資を分かりやすく行うこともできます。
申し込みは、申し込み画面で前書面確認と口数を入力。デポジット口座の残高内での申し込みになります。事前にデポジット口座への入金が必要です。投資いただいた後、各種書類をマイページで閲覧できるようになります。
不動産特定共同事業2号スキームは、宮古島・持続可能な島づくりファンドが該当します。ハロリノを運営する企業(取扱者=エンジョイワークス)のプラットフォーム上で、不動産特定共同事業者である取扱者とは異なる事業者(営業者=ユカリエ社)によるファンドの出資募集を行っています。
2号スキームの具体例(宮古島・持続可能な島づくりファンド)
3)第二種金融商品取引スキーム
不動産特定共同事業2号スキーム同様、預託金口座(デポジット口座)をご利用いただきます。申し込みは、申し込み画面で前書面確認と口数を入力いただきます。投資は事前にデポジット口座への入金を行った上で、デポジット口座の残高内での申し込みになります。投資いただいた後、各種書類をマイページで閲覧できるようになります。
第二種金融商品取引スキームでは、リノベーションした宿の事業収益などを源泉とするファンドの組成ができます。松本の和泉町伍蔵再生ファンド(OLDIES B GOODIES)、大阪空堀アート事業づくりファンド(ペイント・ラウンジ)が該当します。
今回、不動産特定共同事業1号、2号対象と、第二種金融商品取引スキームについて紹介させていただきました。今後、ハロー! RENOVATIONでも、不動産特定共同事業3号、4号のファンドが立ち上がっていくと思います。その時にまた比較しながらご案内させてください。最近ファンド運用期間を終えた「Bath & Bed Hayama」は、日本で初めて「小規模不動産特定共同事業者」の登録を完了(2018年5月7日付)した第1号募集ファンドの物件でした( https://www.kenbiya.com/ar/ns/jiji/item_service/3296.html )。それから4年。みなさんの力で、チャレンジを続けていきます。
- 2022.04
不動産特定共同事業許可取得 (第1号、第2号、第3号、第4号に掲げる事業を行う) - 2019.08
第二種金融商品取引業者登録完了 - 2019.03
不動産特定共同事業許可取得 (小規模不動産特定共同事業者登録から切り替え) - 2018.06
投資型クラウドファンディング1号案件「The Bath & Bed Hayama」開業 - 2018.05
小規模不動産特定共同事業者登録完了(全国初)