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合理的でない投資

川村達也 / ハロリノ編集部

時間の節約

ミヒャエル・エンデの「モモ」を読まれた方は多いと思います。

灰色の男たちにより人々から時間が盗まれ、まるで疫病かのように「時間の節約」が世界に広がります。その奪われた時間を、少女モモが取り戻していくというストーリーです。

50年近く前に発行された本ですが、多くのファンがいるとともに、いま新たに脚光を浴びている気がします。

それは、モモで繰り広げられた世界が、われわれの世界そのものだからです。

効率性、生産性、コストパフォーマンス。
時間をできる限りかけず最大限の成果を目指すキラーワードであり、時間の節約は多くの人にとって解決したい課題になっています。

労働生産性

嫌いな言葉のひとつに、「労働生産性」というものがあります。
詳細な定義や計算式は置いといたとして、我々は仕事や生活の中で、常にこの概念に縛られています。

「こんなに時間をかけていては割に合わない」
「もっと時間をかけずに儲かる方法を考えよう」

インプット(労働投入量)を抑え、アウトプット(産出量)を最大限にする効率性は正義であり、この正義を振りかざすことは資本主義社会の中では許される行為となります。

リモートワークを軽視することができなくなってきたいま、社員の生産性をどう管理するのかは企業にとって大きなテーマであることは疑いの余地すらありません。

行動経済学

効率性は学問にも表れます。

一般的に「経済学」といった場合、
限られた資源をいかに効率的に活用するかを考える学問といえます。

そのために、「個人は、利益を最大化するよう常に合理的な行動を取る」という前提が置かれます。資源を効率的に活用できれば、多くの幸せが生まれると考えるわけです。

そこに行動経済学という分野が登場しました。
「人間というものは必ずしも合理的な行動をするとは限らない」としたのです。

考えてみればそうです。
小さい頃、ジェットコースターやお化け屋敷がある遊園地が大好きでしたが、子どもながら、なぜ人間というのは時間もお金を払って、危険なこと怖いことをわざわざするのか不思議でした。

合理的でない行動が人を幸せにする可能性がある。
これは多くの人が気づいていることであり、過去に自分が合理的でない行動をとった場面を思い浮かべることも容易にできるはずです。

非合理的な行動

幸せになる可能性が高い「合理的でない行動」が社会からは否定され、
必ずしも幸せにはならない「合理的な行動」が社会からは肯定される理由は一つです。

後者(合理性)はキャッシュを生み、前者(非合理性)はキャッシュを生まないからです。

そしてキャッシュは幸せに直結する(と考えられている)ので、合理的な行動が求められるのです。

非合理的な行動を象徴する一つは「ボランティア活動」です。
これは一般的な経済学では到底説明できません。しかし、ボランティア活動であり、ボランティア活動的な行動は、人を幸せにします。

ここでです。

「キャッシュを生む、非合理的な行動」があったらどうでしょうか?

共感投資

ハロー!RENOVATIONでプロジェクトに投資することは、「キャッシュを生む、非合理的な行動」だと思っています。

投資ですので元本割れのリスクはあるにせよ、プロジェクトではリターンが見込め、その判断は自分でおこなうことになります。

ポイントは、そのプロジェクトが決して合理的でないことです。

古民家を改修した田舎暮らしができる宿泊スペース。
沖縄で、島人と観光客が交流できるカフェづくり。

プロジェクトに出資すると、企画から関わったり、いっしょにアイディアを育てる仲間として巻き込まれていきます。そこに金銭的なリターンはありません。

なんとも合理性を感じません(笑)

そこにあるのは、「金銭を通して表現する共感」です。

共感投資とは、「キャッシュを生む可能性をもった非合理的な行動」という、合理主義への挑戦ではないでしょうか。

あなたがピンとくるプロジェクトへ、投資家として挑戦されることをお待ちしています。

 

川村達也
「投資」と「鎌倉」の二軸で活動する二児の父。
ベンチャーキャピタルでスタートアップへの投資、個人では上場株と未上場株投資を行う。
鎌倉を拠点としつつ、海外へ数ヶ月拠点を移したり、キャンピングカーで国内を移動する生活を家族で送っている。

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