北の大地の新プロジェクト「ニセコSDGs街区」が目指すもの

こんにちは! ハロリノプロデューサーの牧です。

今回、ハロー! RENOVATON(以下、ハロリノ)で、また新しいプロジェクトが始まります。
なんと北海道はニセコ町。
世界屈指のリゾート地として知られながら環境に配慮した都市として、国から「SDGs未来都市」にも選ばれた町を舞台に、官民連携で取り組んでいく「ニセコSDGs街区プロジェクト」が展開していきます!
我々エンジョイワークスは参加型まちづくりとファイナンスのサポートということでお声がけいただき参加しています。

「ニセコSDGs街区プロジェクト」とは?

このプロジェクトを一言でいうと、持続可能な都市づくりのモデル街区づくりです。
リゾート地であるがゆえに移住者や労働者が集まり人口が増加する一方で、厳しい自然環境に見合う住環境が整っていません。

私たちのミッションは、町が抱える課題を解決すること。町の人やリゾート施設で働く人たちがきちんと居住できる環境を整えていきます。
さらに、SDGs未来都市の名の下、持続可能な未来を見据えたモデル街区として先進的な都市づくりを行う実証実験の場という側面も持っています。

ニセコSDGs街区 予定地の航空写真

未来の生活を見据えるということ

ニセコSDGs街区が目指す「新しい都市のかたち」には、二つのキーワードがあります。

1つ目は「エネルギー」です。環境負荷の低い高気密高断熱の質の高い住居を提供することで、寒波が厳しい北海道の地でも暖房に使うエネルギーが大きく削減することができます。
このような質の高い住居を本プロジェクトでは賃貸でも提供します。
これは大きく住宅業界の固定概念を変え、エネルギー負荷の低い住居がスタンダードになる。
そんな可能性と価値があります。
さらに地熱を利用したエネルギーセンターを街区内に設けるなど、低炭素社会の実現も目指します。

そして、二つ目は「住宅の循環」。
ニセコ町では一人暮らしの高齢者が家族の声がけで都心部に引越をするケースがあります。
ただ「本当はニセコに住み続けたかった」という声もあります。
そのような方が気軽にこの街区内で住みかえられ、住宅の循環が行われる。
そんな未来の生活を見据えた仕掛けを提供することが求められています。

こうした課題に、ハロリノで行っている住民参加型のまちづくりが大きく貢献します。街区に設ける大きな広場は、住民間のコミュニケーションの拠点になるだけでなく、イベントや広場内小商圏を通して地域内経済の循環も生み出すことが期待できます。

計画途中段階の模型(航空写真とは方角が異なります)

そうそうたるメンバーが参加!

エネルギー事業と街区開発を両軸に持続可能なまちづくりを行うためには、行政と民間事業者が一体となった「まちづくり会社」が必要です。
そこで、ニセコ町と町民で設立したのが「株式会社ニセコまち」。
人気の牧場とレストランを経営する髙橋守さん、土木建設業を営む牧野雅之さん、ニセコ町とまちづくりを行う田中健人さん、町役場の職員でもある宮坂侑樹さんなど地域の皆さんがまちづくり会社の中心となっています。

加えて、このプロジェクトには、高気密高断熱という環境負荷の低い住宅を手掛けるウェルネストホームの早田宏徳さん、ドイツを拠点に先端的なまちづくりを行っているクラブヴォーバンの村上敦さん、そして「無印良品の家」や「HOUSE VISION」などの設計を手掛けながら生活者に寄り添って未来の暮らしを提案する土谷貞雄さんらも参加。
そうそうたるメンバーでプロジェクトに挑みます。

このプロジェクトのなかでエンジョイワークスに求められているのは、地域住民を巻き込んでいく参加型まちづくりサポートと事業全体のファイナンス計画、そして多くの人とコミュニケーションをとるためのWEBサイトの制作です。
単純な住宅提供のプロジェクトではなく、地域の人々と共創しながら持続可能な新しい暮らしのかたちを住民とつくっていく取り組みを評価していただき、今回このプロジェクトにお声がけいただきました。
これまで培ったノウハウや経験を存分に発揮して、このニセコ町で地域の皆さんと一緒にまちのあり方を考えていきます。

プロジェクトメンバーと予定地の視察をしている様子

プロジェクトを進めるにあたり、9、10月とニセコ町現地でプロジェクトメンバーの皆さんと入念な打ち合わせを重ねました。
また、9月17日にはニセコ町が毎月開催している「まちづくり町民講座」で町民のみなさんと、SDGs街区の展望やこれからの町のあり方についてディスカッションも。地域のみなさんとのコミュニケーションが始まっています!

ニセコにてプロジェクトメンバーと打ち合わせ
9月17日に行われた、まちづくり町民講座の様子

チーム内、町内ともに何度も議論を重ねていくなかでプロジェクトの目指すものがより明確になっていきました。
それは町民も一緒になってニセコの未来をみんなで考えること、さらにSDGsに向けたもっと大きな枠組みで都市や社会の未来を考えていくことが必要だということです。

ニセコでSDGsの実証実験を行っていく

このプロジェクトではニセコ町をSDGsの実証実験の場とし、日本中の企業や大学、研究者の方々と都市の未来を考える「都市未来研究会 IN NISEKO(仮称)」を立ち上げます。

今後、予想される人口減少社会において、社会・経済・環境の三つの要素をバランス良く保ち、持続可能な都市をつくっていくにはどうしたらよいのか。
このとても大きな課題解決に向けて、企業や研究者と一緒に実践的なトライアルに取り組んでいきます。
まずは2021年2月に研究会を正式に組成するため、プラットフォームとなるウェブサイトを準備し、実践に参加してくださる参加企業や大学、研究者を募っていきます。

「都市未来研究会 IN NISEKO(仮称)」ウェブサイト

「都市未来研究会 IN NISEKO(仮称)」という大きな枠組みの中には、ボトムアップで地域住民のみなさんとニセコの未来の暮らしを一緒に考え、つくっていくプラットフォーム「ニセコ明日をつくる教室」があります。
ニセコには魅力的な取り組みをされている方がたくさんいます。
その人々をインタビューして活動を広く紹介したり、ゲストに招いて町民イベントを行ったりしながら、ニセコでの未来の暮らしをみんなで創造していく、そんな取り組みも始まります。

「ニセコ明日をつくる教室」ウェブサイト
ニセコで自伐型林業を行う澤田健人さんのインタビューも(写真左/澤田さん、右/土谷さん)

このように、「ニセコSDGs街区プロジェクト」は「都市未来研究会 IN NISEKO」という大きなヴィジョンと、「ニセコ明日をつくる教室」というボトムアップの取り組みでSDGsという壮大なテーマに対して、企業や研究者から地域住民まで多くの多種多様なレイヤーの人々を巻き込んで進めていきます。
是非このプロジェクトにご期待ください!!

「都市未来研究会 IN NISEKO(仮称)」Webサイト

「ニセコ明日をつくる教室」Webサイト

「ニセコ明日をつくる教室」Facebookページ

 

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