まちづくり参加型クラウドファンディング

小さく始めるまちづくり。住みたいまちになるために。空き家再生のプロと本音で語る、全国空き家再生セミナー2020 in大阪。

長澤愛美 / ハロリノ編集部

こんにちは!ハロリノ編集部長澤です!「全国空き家再生セミナー2020」やってきました!
大阪! 大阪会場では、丸順不動産株式会社の小山隆輝代表にご登壇いただき、実践的なまちづくりについて伺います。大阪ならではの盛り上がり。新しい空き家再生が始まりそうな可能性が感じられ、ハロリノプロデューサーも胸を躍らせる1日となりました。

今回のセミナーで取り上げられる、大阪 阿倍野区昭和町。

さわやかな風が頬をなでる、どこか春の気配を感じられた1月28日。6都市を巡る当セミナーも3カ所目、大阪では60名以上の方にご参加いただきました。

編集部追記: その後のコロナウイルスの影響で、こういったイベント・セミナーの形も変わっていくかもしれません。

まちづくりに大切なのは「愛、運、涙、根性、そしてほんの少しの揉み手」

大阪で活動されている、丸順不動産株式会社の代表、小山隆輝さん。
冒頭から「私の話は味噌汁とつけものの盛り合わせ。気軽に聞いてください。」と話す小山さん。現地でまちづくりに取り組むからこそ見えてくる視点でお話いただきました。

「私が話すのは、愛、運、涙、根性、そしてほんの少しの揉み手。」と小山さん。同じ地域で空き家再生に新たに取り組もうとする皆さんの背中をあたたかく押してくれました。

昭和39年8月、大阪市阿倍野区生まれ。大正13年創業で祖父の代から続く丸順不動産株式会社に入社。平成24年に代表に就任。夫婦で経営され、現在は息子さんも経営をサポ―ト。家族で地域密着型の事業を推進されています。

現在は一般不動産業務以外にも長屋や町家などの既存建物の再生活用を通じて、まちづくりやエリア価値の向上にも取り組んでらっしゃいます。

まちづくりは、小さな取り組みこそ大切にすべき

大阪駅から電車で20分ほど。御堂筋線の西田辺駅を中心に、半径2㎞ほどの地域があります。大阪阿倍野区、西田辺・昭和町エリア。小山さんは、このご自身のホームタウンでのまちづくりに取り組み、商いが細く長く続くことを大切にしています。

空き家再生を進める上で困りごととして多くの人から聞くこと。それは空き家の増加についてプレイヤーが危機意識をもって取り組んでいることに、地域住民からの理解を得られにくいことでした。

小山さんは、状況はまるで「ゆでガエル」のようだと例えます。

空き家はそんなに増えていなくても、町の土台の部分はゆらいできている。資産にのんびりと浸かっているつもりでも、下から火が強まっている。全国で起こっている事実。

小山さんは「例えば、焚き火のときにいきなりライターで大きな太い薪に火をつけようとする方がいます。まちづくりでもそうしようとする方が多い。でもそれではダメなんです。」と。

まずは、小さな枝や枯れ葉を集めて、火をつけて、だんだん育てて火を移していく。小さな炎をいかに大事にするか。駅前再開発など大きなことをきっかけにまちを変えていくよりも、小さな取り組みこそ大事にすべき。まちづくりの神髄だと実感していること。

空き家解決のきっかけは、昔から「みんながここのまちがすき」
「空き家だらけ」地方に行くとそんな無茶なまちが普通にある。大抵よく考えられるのは、リフォームするか、価格を下げるか、大きなお金を使ってリノベーションをするか。

そうならぬよう、西田辺エリアでは、エリアの価値を高めて不動産需要を喚起することに注力しているそうです。「みんながここのまちがすき。用事がある。商店街を利用したいと思える地域に。」

もう1つ、まちを考えるときに重要なのが歴史。
大正時代の末から、昭和初期に大大阪と言われた時代。東京よりも大阪の人口が多かった当時、アジアでも有数の経済都市として人口が増えました。経済需要に対応できるよう、周辺の農村部を取り込み、大阪市を広げていく過程で「長屋」が増加。空襲を免れたこともあり、今でも阿倍野区には長屋が多く残っています。小山さんは「20%ほどがこのような建物かな」という。

大大阪の時代に栄華を誇ったこのまちにも、相続の関係などで残され、空き家となった長屋が増加。せっかくの古い建物が廃墟となってしまうケースも目立つようになりました。

「不動産業者としてできることは他にないのか」若い頃からそれが小山さんのテーマでした。

住みたい、選んでもらえるまちになるために

今の事業の土台となる「住みたい、選んでもらえるまちになるために予防的に取り組んでいくこと」に気づいたのは、日本で初めて長屋が国の登録有形文化財に認定されたときでした。新聞記事を読んで知り、長屋のまちで生きてきた小山さんにとっては衝撃。

文化財と言っても、まちに多くあるものの中から特定できないほど、「普通」すぎてどれか分からない。思わず自転車に乗って確かめに行くほどだったそう。
そして「これが文化財になるのならば、まち中文化財だらけ。これを使わない手はない。」と考えたのが2003年。取り壊す対象でしかなかった長屋。1枚の新聞記事でスイッチが変わったと言います。

そのときからこのエリアの目標を「上質な下町」とされています。かつて大きなお屋敷の様式をコンパクトに長屋に詰め込み、経済が豊かな時代につくられたもの。特性を活かしたエリアづくりを行っていきます。

エリアの価値をあげるには、良き商いをつくり守り育てる
「エリアの価値向上とは?」と質問をよくされるという小山さん。

もちろんプレイヤーや、まち、それぞれの事情によりその定義は変わると思いますが、例えば昭和町では「住む人が豊かさを実感し、そのエリアにずっと住みたいと思う。そして新しい居住者がそのエリアを選んでくれること。」だと言います。

そのためにしなければならないことは「良き商いをつくり守り育てる」こと。
歩いて行ける場所においしい食事ができて夫婦で楽しいひとときが過ごせる。また自宅でささやかなお祝いをするときに食卓を飾る食材が揃う店。

大切なのはエリアの歴史を考慮して、住民の負担にならないようにすること。
例えば、商店が昔並んでいた場所には商店を誘致し、そうではない場所には手を入れない。一見いいお店が入っても、近隣の人が違和感を感じることは、まちのストレスになる。

暮らしが豊かになるためのお店を増やす「BUY LOCAL」

小山さんが友人たちと一緒にボランティアで始めたのが「BUY LOCAL」です。

もともとはアメリカ発祥。大手のスーパーから、地域の商店を守る活動から始まりました。今では地産地消を実現するための活動として続いています。

阿倍野区南部から東住吉区西部の地域では、年1回地域の公園を借りて、マーケットを開催。約4000人が来場します。地域のお店にお願いして出店してもらうのが、普通の公募型のマルシェと違うところ。地域の人がまちのお店の推薦リストをつくることをはじまりに、運営側から「お店を守りたい。知ってもらいたい」と出店のお願いに伺うのです。

おしゃれなお店もあれば、商店街の中にある昔ながらのお店も。お店が残っていることがまちの価値であることを感じていただけます。来場者にはもちろん他県の方もいますが、近所の方が大半だと言います。まちに住んでいる人に豊かさを実感してもらいたいという想いが届いているのでしょう。

さらに一昨年には、「COOK BOOK」をクラウドファンディングで制作。地元のお店のレシピを公開してもらい、お店のことを知ってもらう取り組み。口コミを中心にサポーターを集めました。

住む人をまちのセールスマンに。やっぱり人

間違って受け取られたくないのは「長屋の保存活動が目的ではない」ということ。あくまでも長屋の利活用は手段。やはりまちづくりでは、質の高い商いをする人、人を引き寄せる人、情報発信が得意な人、すべて人が大切。

「BUY LOCAL」が開催された昭和町駅近くの商店街

長屋などの既存建物を活用してよき商いを育て、新しいチャレンジを増やして新陳代謝を活性させる。そうすると暮らしに豊かさを感じ定着人口を増やしていく。
住む人にとってもすてきなまちに感じられたときに、「このまちに引っ越してこない?」と、セールスマンになってくれる。

小山さんの考えるエリアの価値を上げ、選ばれるまちを増やす方法。

トークセッション、なんでもお聞きください

「正直これってどうなっているの?」というような、ぶっちゃけトークも含めつつ、和気あいあいとトークセッションが行われました。

印象的だったのは「初心者なんだけれど、まちづくりに関わりたい。どこから始めればいいのか困っている」という質問に、コーディネーター陣が「小さくてもいいから活動を始めよう。ひとまず遊ぶ。地域を知る」と言い切ったことでした。

「自分のまちを変えるのに最初から特別なスキルはいらない。経験・体験の絶対数がものを言う。自分が楽しいと思えるかどうか。他人がどうだ、ではない」と。

簡単に聞こえるけれど、地域に入ることは実際には難しくて、でもそれがとっても大切なことなんだと、ハッとさせられた瞬間でした。

長屋を改装したかわいいお店が軒を連ねる昭和町

会場には、「空き家再生プロデューサー育成プログラム2日版(2019年開催)」に参加いただいた方もチラホラと。既に事業づくりやイベント開催を一緒に進めているそうです。オンラインでのコミュニケーションが多い中、久しぶりに対面で挨拶ができ会話が弾みました。

セミナーは終わりましたがここからがスタート。今回お集まりいただいたみなさんと一緒に空き家再生・まちづくりのタネを育てていけることを楽しみにしています。
その後ハロリノ編集部は、小山さんの「BUY LOCAL」が開催された阿倍野区や、ハロリノが関わり先日グランドオープンを迎えた京都のコリビング施設「UNKNOWN KYOTO」に遊びに行きましたが…。その様子はまた今度お届けいたします!
じゃ、まちに遊びに行きましょう!

\空き家再生で食べていきたい方!エントリー受付中!/
全国の空き家再生を先導する「空き家再生プロデューサー」となるために、実践型で知識と経験を積み上げ学ぶ2週間!3期までの経験を踏まえ、実践編プログラムをご用意しました!

当コースは、過去参加者の声をもとにプログラムをブラッシュアップ。2週間に期間を短縮し、よりお一人お一人の事業づくりに注力でき、プログラム完了後、地域に戻ってから、すぐに活動を始められる内容です。

▼プログラム詳細はこちら
https://hello-renovation.jp/producer/onemonth

▼エントリーはこちらから
https://hello-renovation.jp/event/form/168
※「ハロー!RENOVATION」サイトへの会員登録(無料)が必要です。

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