投資家インタビューVol.03 川井 透匡さん[インタビュー]

「桜山シェアアトリエプロジェクト」に投資家として参加する川井さんに
参加のきっかけやその魅力をお伺いしました。

―こんにちは。本日はよろしくお願いします。

川井:はい、よろしくお願いします。

―川井さんの現在のお仕事を教えてもらえますでしょうか。

川井:現在の仕事は、開発センターのラボ施設の管理を担当しています。これまで、ラボや工場などの事業所の建設に関わり、社員がどうしたら快適に仕事をできるかというオフィスのコンセプトを造ることもしました。ですので仕事柄、建物であり建築にはとても興味があります。

―そういうこともあって、ハローリノベーション(以下ハロリノ)であり、まちづくりに関心を持たれたのでしょうか?

川井:そうかもしれないですね。まちづくりや民家のリノベーションには今まで関わったことがないのですが、建物のリノベーションという仕事は面白いなと思っています。

―桜山シェアアトリエへ出資いただいた背景について教えてもらえますでしょうか。

 

川井:わかりました。そんなに深く考えてやっているわけじゃないですけどね(笑)。

去年の8月だったと思うんですが、横浜のタイニーズのイベントに参加してまして、そこでハロリノを初めて知りました。ちょうどそのとき、桜山シェアアトリエのファンドの募集がされていました。

―その時、ハロリノにどんなイメージを持たれました?

川井:正直、クラウドファンディングというものにまったく予備知識がなかったですし、古民家を活用して新しい事業をやる、そういうところに興味を持ちました。

―タイニーズのイベントでお会いし、その後、一緒に桜山シェアアトリエを見に行きましたね。

川井:はい、とても興味を惹かれて、出資してみようと思ったんですけど、まったくどういう仕組みか分からないですし、廃工場をリノベーションしてクリエイターさんが集まるとか、そういう世界にいままで関わったことがないので不安はありました。不動産とか投資とか潜在的になにか危ないんじゃないかというものを感じていたからもしれません。ホームページを見れば、言っていることはわかるし面白そうだと思うのですが、現物を見ないと実感がわかないし、本当に実態をもって動いているのかピンとこないんです。現物を見ずに出資することに抵抗があったので内見をお願いしました。

―実際見にいった印象はどうでしたでしょうか?

川井:イメージと違ったという印象はなかったです。イメージしたものが本当にそこにあって、ファンドが投資家を集め、あのオンボロの建物にクリエイターさんが入居する仕組みがこれから動くんだってことに驚きました。ただ、先日の投資家向けのイベントで初めてクリエイターさんの活動を見させていただきましたが、こういう施設にほんとうに価値があるんだなって肌で感じることができました。

―あのイベント、参加された投資家の方々の満足度が高かったんじゃないかなと思ってます。

川井:とても良かったです。すごく身近な感じがしましたし、革の修理をやられているクリエイターさん、半分趣味から始まったものがセカンドライフとして実益にもなっている。私なんかまさに同じ世代ですのですごく興味をひかれましたね。

―考えさせられましたよね。趣味って資源と時間を浪費しているに過ぎない面もありますが、あのクリエイターさんの生き方とかセカンドライフは誰かを幸せにしているし、その中でキャッシュも生んでいるってめちゃくちゃ素晴らしいなって、あのイベントで一番の気づきでしたね。

川井:本当にその通りですね。最近「小商い」ってよく聞きますけど、興味があって、本当に好きなことを少しずつやって、それが少しかもしれないけどお金になっていくという仕組みは面白いなって思っています。エンジョイワークスがやられている不動産、通常の評価では上物ゼロみたいな小さいものに手をかけて、コツコツやってビジネスにしていく。企業がやる小商いっていういい方は失礼かもしれませんが、そういう側面もハロリノにはあるのかなって感じています。

―ハロリノに参加してくれる投資家の方々も小商いかもしれないですね。

川井:個人で少額の投資をして、お金儲けだけを目的にしたら正直いって私なんかも少額ですので、決してお金儲けが目的じゃないです。もし戻ってきたら嬉しいなくらいの話なので。自分のお金と時間を使っているので、ある意味小商いみたいな感じでやれています。小商いをする人たちを、別の小商いが支えてお互いに助け合うという仕組みがそこにあるというのに今気づきました。

―ハロリノは、そういう関係をつくっていくサービスにしたいなって思っています。

川井:興味があった小商いを、実は自分ですでにやっていたと思うと嬉しいですね。シェアアトリエをどうしたらいいか、どう盛り上げていったらいいのか。お金を出すだけじゃなくて参加していくっていう感覚ですかね。それはお金だけを儲ける小商いではなくて、その事業に自分から関わっていくもっと直接的な小商いができているのかもしれないですね。

―あのイベントに参加された際、他の投資家の方々の印象はどうでしたでしょうか?

川井:ハロリノであり、桜山シェアアトリエであり、そういうものに投資している人たちって、どういう人たちなのかは単純に興味がありました。たくさん投資をしている人とかいるのかなとか、私のように少額の投資をしている人もいるでしょうし。「私は一口しか出資していません」という方もいて、私よりも少額の人がいるんだと思いました。

―全然いますよ(笑)。

川井:参加されているのはどういう方なのか、普段どういうことをされているのか、なぜここに投資をしたのか、今回は深く話せる時間があまりなかったのですが、自分と同じような興味で入ってくる人もいるんだって知れて心強く思いましたね。見ず知らずの人だけど一緒にやっているんだと。エンジョイワークスの人たちだけでやっているわけではなくて、仲間がいるんだって実感は持てた場だったと思います。初めて会った人と、ここをどうしようとか、どうやってプロモーションしたらいいのかって対話するのって面白い体験でした。

―川井さんは出資する立場だけでなく、埼玉のご実家の活用方法もお考えがあるとお聞きしました。

川井:はい、その辺りはエンジョイワークスさんにご相談しているんですが、自分の埼玉の実家が空き家になっちゃってるんです。負動産、まさに負の財産になってしまっていて。どうやったらそれを解消できるのか考えています。何か糸口はないかなと。そんな時にハロリノと出会い、投資を通して物件に関わると自分の勉強になるんじゃないかなと。まずは関わってみようということで桜山のプロジェクトに出資しました。

―クリエイターさんがあれだけ音について困っているは驚きでしたよね。場所がないから千葉から来られているとか。

川井:ほんとあれは意外でしたね。

―そういう場所ってありそうですけど、ないんでしょうね。

川井:埼玉の実家は全然アイデアがなく諦めていたんですけど、音や匂いで困られているクリエイターさんにとっては埼玉でもニーズあるのかもって思いました。もう一つヒントになったのが革の修理をやられているクリエイターさんのお話でした。ソファーの修理はやられているんですかって質問ありましたよね。そしたら、ここにはそんな大きいものは入らないのでできないんですって話されていて。私の埼玉の実家には大きな場所があるので大きなものは持ち込めますし、大きな音も周りを気にせず出せます。傍から見るとただ雑然とした田舎なんですけど、それを逆手にとるとメリットになることがあるのかなと感じましたね。まだ諦めちゃいけないんだなと。

―少しづつ形にしていきたいですね。そういうイベントってどれくらいの頻度であったら嬉しいとかイメージありますでしょうか?

川井:そうですね、最低でも年に1回はあるとちゃんと続いているんだなって思えますよね。収支報告があり、これがいまの課題なのねって分かると安心できるじゃないですか。私のお金も運用されていて、建物がきちんと管理されていて、入居者もいるんだよね、このまま預けておいても大丈夫だよねって。レポートとかあると思うんですけど、書類でのコミュニケーションだけじゃなく見にきてくださいよ、っていう意味では行きたいっていう人に対して年に1回は機会があるといいですね。実際説明を受けると身近に感じます。

―桜山プロジェクト以外で、いま興味があるハロリノ案件はありますでしょうか?

 

川井:旧村上邸ですね。面白そうだなって思うんですけど、私の興味の範囲とはちょっと違うかなって思っているのと、あそこの投資家特典をもらったとしても自分としては活かせないかなと思って出資していません。もうひとつは京都の五条楽園って面白そうですよね。ただひとつ踏み切れないのは、ちょっと遠くてピンとこないというところなんです。それに比べて「泊れるメトロ」。これはどうしようかなって考えているところです。イベントにも行きたいと思っています。距離が近いとジブンゴト化できるというのはありますよね。対象になりやすいというか。投資する人それぞれだと思うんですけど、自分はなんかこう現物、手触り感みたいなものがないと身近に感じられないんだと思います。

―株式投資や投資信託、ソーシャルレンディング、そういったものはやられているのでしょうか?

川井:投資信託は少しやっているんですけど、それってお金の話だけで、どう運用しているのか分からないじゃないですか。そういったものとハロリノは全く別モノだと思いますね。リターンはあったら嬉しいけど、それはおまけみたいな感じです。どういう風に今後暮らしていったらいいのかなと考える年代になって、まずひとつは自分のお金の管理をしなくちゃいけないと思い投資を始めました。これからのセカンドライフ、どうすれば張り合いをもってやっていけるのか、私なんかの年代の抱える問題だと思うんです。そして私のような悩みを持った人はたくさんいて困っていると思います。空き家問題、ほんと課題だらけなんですよ。当人だけで考えると煮詰まっちゃうしアイデアもないですし。

―集客とか告知とかいち個人でやるのは難しいですよね。

川井:とても難しいですし、普通の不動産として取り扱うと、どうにも身動きが取れなくなるんですよ。桜山みたいのってほんとビックリですよね。こんなやり方があるんだって。また、当事者でないから、言いたいこと言えちゃうんです。突拍子もないことを言う。当事者ではない人が好き勝手言うと意外とおもしろいアイデアが出てきますよね。ハロリノは興味本位で始めましたけど、希望を捨てちゃいけないんだっていう気づきをもらえたのが私にとって一番のリターンだと思っています。

―運営冥利に尽きますね(笑)

川井:勇気づけられると思いますよ、課題を抱えている人からすると。

―本日は本当にありがとうございました。

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