多発的に市民主体のまちづくりが進む大阪府藤井寺市界隈、そして「道明寺」エリアでの新たなプロジェクトとは

みなさん、こんにちは。
ハロリノのだいきです。

今回は、大阪府の南に位置する藤井寺市「道明寺」について、お届け。
藤井寺市は2019年に周辺市と一体的に「古市古墳群(仁徳天皇陵古墳が有名)」として、世界遺産登録された、至るところに古墳があるまちです。それと桜餅のことを「道明寺」と呼ぶことがありますが、そのルーツでもあります(材料である道明寺粉が由来)。
そんな大阪の中でも歴史深い地域を出張訪問してみたところ、市民主体のボトムアップ型まちづくりが非常に進んでいることを発見することができました。

このボトムアップ型のまちづくりを手掛けるキーパーソンが藤井寺市で不動産・建設業を中心とする会社を営んでおられる西村剛さん。
今回はその西村さんが道明寺にて、新たなプロジェクトを立ち上げられるとのことで、我々にお声掛けいただき、道明寺エリアをご案内いただきました。

西村さん(写真左) 引用:株式会社西村興産HPより

西村さんは、地元がこの道明寺エリアであり、地元のために何か良いことをしたいという想いで活動されています。

各エリアの位置関係 道明寺と土師ノ里(はじのさと)は隣駅で、柏原市は大和川を超えた位置にある

歴史、暮らしがギュッと集まったまち「道明寺」

道明寺駅前にはチェーン店がほとんど出店しておらず、駅から延びる小さな商店街には、花屋や青果屋など地元住人による個人商店が軒を連ねています。

商店街の青果屋さん。道路への “溢れ出し” が賑わいをつくっている
商店街にある珈琲屋。とてもレトロな雰囲気

商店街を3分ほど歩くと「道明寺天満宮」にたどり着きます。駅から商店街、天満宮と一本で繋がっていて、まちの軸がとてもコンパクトにまとまっている印象。
実際に、お祭りなどの祭事では、天満宮から駅まで大勢の人々で練り歩くなど、まちが一体となって盛り上がるそうです。宮司さんによると、初詣の参拝者数はなんと大阪で3位にランキングされているとのこと。すごい!

道明寺天満宮。大阪の中でも屈指の梅の名所であり、梅祭りや結婚式も催されている

この日の道明寺天満宮は秋の落葉が参道を色づけた静かな美しさがありましたが、定期的に近隣地元のご夫婦を中心に「道明寺天満宮手づくりの市」というイベントも開かれているそうです。

あれも古墳、これも古墳⁉ ものづくりの祖のまち「土師ノ里」

エリアの説明もしたいので、先に進みますね。道明寺天満宮から5、6分歩けば、隣駅、土師ノ里駅(はじのさと)にたどり着きます。
駅前にこんもりとした小さな丘。そう古墳です。駅向こうに見える大きな森も古墳とのことで、古墳に囲まれていることを実感します。

土師ノ里駅。右手に見える小高い丘も世界遺産
土師ノ里駅前の古墳と民家

それにしても古墳と民家が近い。西村さんによると、なんと、この距離の近さが世界遺産認定の理由にもなったとのこと。「窓を開けたら世界遺産!」という暮らし、スペシャルすぎます。
ちなみに、この古墳、歩き回ることができちゃいます。遺産登録された古墳は立入禁止が通常のところ、土師ノ里駅前の古墳はピクニックができる。藤井寺市だけの特徴とのことです。

歴史好きな方は「土師ノ里」と聞いて、ピンとくるかと思いますが、土師ノ里は、古墳をつくる今で言うクリエイター集団である古代豪族「土師氏(はじし)」が本拠地としていた場所なのです。

西村さんの活動も古墳なみに、いたるところで展開中

西村さんは、不動産仲介業や建築の施工を軸にいくつもの場を再生されてきました。また、ハードの再生だけでなく、再生した場に関係する人を巻き込むことでさらに次の場づくりへと次々に展開しています。代表的な取り組みとして、道明寺天満宮近くの平屋建て空き家を店舗へ改修とそのプロデュース、土師ノ里徒歩1分の袋地にある連棟長屋3棟を「里庭の箱」にプロデュース、隣の柏原市では商店街に面した遊休不動産再生等幅広い活動をされています。エリアごとに順にご紹介していきたいと思います。

道明寺エリアでは、道明寺天満宮のすぐ近くの平屋をリノベーションして、おしゃれなお店がオープンしています。5棟改修されたこともあって、この通りを歩くと少し特別な雰囲気を楽しむことができます。建物は解体される予定だったところ、1棟ずつ実験的、かつ段階的にリノベーションすることを提案し、このような風景と暮らしが残されています。

パン屋「coccoya」と定食屋「玄米食堂すみれ」

土師ノ里エリアの「里庭の箱」には、ものづくりのまちの歴史を脈々と受け継いだ店舗があります。その一つがクリエイター向けのコワーキングスペース兼カフェレストランの「nowhere hajinosato」です。レストランはなんと3カ国語も話すことができるフレンチシェフが手がけており、本格的な料理をいただくことができます。

ランチコースのメインディッシュ 牛肉の柔らかさには感動しました!

コワーキングスペースには、web等のデザイン関係の方が多く入居されていて、西村さんとチームをづくり、仕事を協働で進めているとのことです。

「nowhere hajinosato」の外観(引用:株式会社西村興産HPより)
長屋をセンス良くリノベーションしている
「nowhere hajinosato」の内観。暖かい木の雰囲気が心地よい

また、まちなかの、「マンションみどり」というアートスポットがあります。
この場所はアーティストインレジデンスとして、制作活動を行う学生のために、一時的にマンションの一室をアトリエ兼住居として貸し出し、制作から成果発表までサポートする企画の一環として使われています。

マンションみどり1階の共同キッチン&展示スペース

柏原市では、柏原駅前商店街の入口にある「大正通りポケット」を手掛けています。大正通り商店街の入口付近に商業施設の施設を建設し、その中にある「キッチンモトクラシ」とゲストハウス「Bed & Bicycle」はなんと不動産・建設業を中心とした会社である西村さんご自身で管理運営をされています。さらにこの場所をきっかけに今春、商店街に新たなスポット「大正通りネスト」が竣工するとのことで要注目です!

大正通りポケット 引用:instagram(@taisho_p)

この施設の計画段階で隣接する駐車場でマルシェが始まり、今では「をかしわらマルシェ」として月1回開催され、約500人が参加するほどの規模になっています。

道明寺天満宮では境内で「手づくりの市」などイベントが数多く開催され、土師ノ里エリアではまちづくりに入り込むクリエイターの拠点を中心とした活動が起きていて、柏原市では駅前商店街の空き地でマルシェが行われるなど、地元のニーズをつくり上げ、固定的な場をつくるといったボトムアップ型のまちづくりの動きがこのエリア一帯において、西村さんを中心とする民間の手によって手掛けられています。

道明寺エリアで仕掛ける新たなプロジェクト

これまでに、たくさんの場づくりと、まちの方々を巻き込んできた西村さんを中心とするメンバーで新たに、道明寺エリアで取り組もうとしているプロジェクトがあります。
場所は、なんと道明寺天満宮の参道入口の真横に位置する古民家です。建物の中には通り土間があり、奥には中庭がある素敵な物件です。レトロなタバコ屋さんも良い味を出しています。

道明寺天満宮参道のすぐ横の古民家 道明寺の魅力を楽しむ “玄関口” へと変身する予定

参拝者だけでなく、手づくりの市などすでに人が集まる取り組みが起きている天満宮の入口のすぐ隣に位置しているという好立地。そんな建物が道明寺エリアをより楽しむことができるように、地ビールの醸造所と観光案内所を軸とした施設に再生される予定です! 地ビールを飲みながら、天満宮の梅を見たり、立ち入りできる古墳を回って街歩きをするなど、道明寺をより楽しめるようなきっかけを提供する場となる予定です。
チームメンバーはすでに揃い済み。西村さんを中心に、道明寺天満宮の宮司さん、道明寺まちづくり協会の会長さんという道明寺エリアを知り尽くしたお三方が中心となり、このプロジェクトに取り組んでいきます。
建物のハード的な再生だけでなく、ソフト面の人のネットワークを創ってこられた西村さんのこれまでの活動や経験がギュッと詰まったプロジェクトになります。

ぜひこのプロジェクトにご期待ください!!

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