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地域に横のつながりを。「目黒のさんま祭り」実行委員が見つめ直す目黒のまち

ハロリノ編集部

目黒駅から徒歩約 3 分の場所に、「R.T 目黒ビル」という小さなビルがあります。このビルをリモートワークも当たり前になってきたこれからの時代に合った働き方ができる仕事場にリノベーションするプロジェクトが始まりました。今回は、ビルのオーナーである横田さんご夫婦のお話を紹介します。( プロジェクトについて詳しくはこちらもご覧ください。「これからの仕事場のあり方を考える、目黒ビルプロジェクト」)

目黒在住歴70年。R.T目黒ビルオーナーが見てきたまちの姿

R.T 目黒ビルのオーナーである横田耕司さんと奥様

横田耕司さんは生まれてからずっと目黒駅周辺で暮らし続け、まちの様子を見つめてきました。 横田家の目黒での歴史は、横田さんのお父さんの代から始まりました。北海道出身のお父さんは、戦後に目黒で商店を始めました。横田さんから見て、お父さんはまちのために一生懸命取り組んでいたそうです。そのおかげもあり、まちを歩いていると「横田さんのところの子」と言われることもあったのだとか。

目黒はもともと、豆腐屋さんや肉屋さんなど商店が並ぶまちでしたが、スーパーができたことで昔ながらのお店は姿を消してしまいました。今ではビルも増え、下町の雰囲気は残っていません。まちを見渡すと、人通りは多く活気はあるものの、商店街としては少し寂しくもあります。 まちの景色がどんどん変わりゆく中でも R.T目黒ビルを守り続けてきた横田さんには、生まれ育ったこの地域に対する強い想いがあります。R.T目黒ビルはこれからシェアオフィ スにする予定ですが、地域に開かれた場として目黒の人々にも気軽に立ち寄ってもらえる場にしたいと語ります。

ちなみに、R.T目黒ビルの名称も、娘さんのRと息子さんのTのイニシャルを使いR.Tとつけましたが、じつは50年前まだ鉄筋の家が少ない中、ビル住宅を建てた横田さんのお父さんのお名前、徳太郎のTも込められているそうです。

地域のつながりをつくる「目黒のさんま祭り」

正面の白いビルが R.T 目黒ビル

横田さんは目黒の町内会や商店街振興会などの理事、そして「目黒のさんま祭り」の実行委員でもあります。この祭りでは落語の「目黒のさんま」という噺(はなし)にちなんで、焼いたさんまの無料配布や落語の上演などが行われます。

じつは目黒には二つの「さんま祭り」があります。横田さんたち目黒駅前商店街振興組合の主催する「目黒のさんま祭り」と、目黒区民まつり実行委会が主催する「目黒区民まつり」の企画として開催される「目黒のさんま祭」です。

なぜ二つあるかというと、目黒の地形が関係しています。このエリアは目黒駅を挟んで品川区と目黒区に分けられ、それぞれの区で祭りを実施しているため 2 回開催されるのです。横田さんたちがいるのは品川区、そして反対側は目黒区となっています。しかし住民の意識としては明確に分かれているわけではなく、この祭りも、なんと偶然にも同じ年に始まったそう。横田さんたちが提供するさんまは毎年岩手県宮古市産のもの。一方目黒区のさんま祭りは宮城県気仙沼市産。それぞれ開催日も近いため、食べ比べを楽しみにしている参加者も少なくありません。

宮古市で水揚げされた7000匹のさんまを振る舞う

横田さんは1回目から25年間、ずっと祭りの運営にたずさわっています。町内の青年部が横のつながりをつくるために始めた活動でした。資金も、場所も、人手も、決して十分とはいえない状況だそうですが、工夫と努力で続けられています。祭り当日は、たくさんの人が参加してさんまを焼いていますが、横田さんも当日使う焼き網、紙皿などたくさんの小物類の買い落としがないか、不足がないかのチェックなど、準備の段階から、大忙しで動き回ります。

横田さんは「疲れやプレッシャーを感じることもありますが、まちへの誇りや毎年喜んでくれるお客さまの姿を思うと、当日はすべてはじけ飛んでしまいます。今後、より若い世代にもどんどん運営に参加してほしい」といいます。目黒ビルプロジェクトの参加者で運営を体験してみるのもおもしろいかもしれません。

目黒ビルから多世代交流のきっかけをつくりたい

リノベーション後のイメージ。地域の人も行きかう新たな仕事場。

R.T目黒ビルが目指すシェアオフィスの姿は、地域のコミュニティとつながるような仕事場です。町内会の祭りなどに参加する若者が少ないという課題は、目黒だけではなく全国各地で耳にします。しかし町内会に入るきっかけがなかったり、仕事やプライベートが忙しくて参加できなかったりするだけで、地域コミュニティに興味を持っている若者はいます。プロジェクトメンバーは、このプロジェクトがその両者をつなぐきっかけになればと考えています。仕事もイベントもオンラインでできるようになりましたが、実際に現場で手を動かしてみて初めて感じられることもたくさんあります。このプロジェクトでは、そんな生の学びを得られる機会にあふれています。地域の場づくりを経験してみたい方にはうってつけの場。

この事業は、u.company 株式会社・Japan asset management 株式会社と、株式会社エンジョイワークスの共同プロジェクト。前2社の代表内山博文氏とエンジョイワークスの代表の福田和則氏は、ともに、次世代まちづくりスクールの教授であり、リノベーション完成後は、スクールの「リアルキャンパス」としても活用されていく予定です。地域のリアルに触れ、教授の近くで新しい場づくりを学びたいという方はぜひ気軽にR.T目黒ビルにお越しください。

▼次世代まちづくりスクールについて詳しくはこちら
https://hello-renovation.jp/machi-school

▼目黒ビルプロジェクトの前回の記事
これからの仕事場のあり方を考える、目黒ビルプロジェクト

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