葉山町一色の“ものづくりシェアハウス”完成! お披露目イベントレポート
今年1月より進めてきた、ものづくりシェアハウスプロジェクト。
いよいよ現地が完成し、お披露目も兼ねたイベントをオンライン、オフライン同時進行のハイブリッドで開催しました。リノベーション後の現地の様子、オーナーである能條さんのインタビュー、現地のものづくりの様子を合わせてレポートします。
リノベ完成、中の様子は?
もともとキレイにされていた室内ですが、床、壁、天井の修復を行い、シェアハウスという用途に合わせて建具や照明の追加を行ないました。2階は計3部屋だったところを4部屋とし、1階の和室はアトリエとしてもレンタルできる洋室に。
バーチャルツアー中に注目したのが壁の色。白く見えますが、実は薄くグレーが入っています。真っ白よりも室内が落ち着いて見えることから、能條さんの叔母であり建物の設計者である小谷部育子さんが提案されたそうです。
1階共用リビングの床材はPタイルの仕上げにしたため、ミシンや裁縫関連の作業をしても非常にお掃除がしやすいのです。
こういった細かな部分にも能條さんのこだわりと配慮が感じられます。
育子さんの意図である、プライバシーは保ちつつ、人のぬくもりを感じられる点をしっかりと押さえた、まさにコレクティブハウジングの思想を継承している仕上がりになっているのが印象的でした。
シェアハウスの名称も発表! オーナーの能條さんにインタビュー
イベント中、能條さんにインタビューを行いました。
まず気になるところがシェアハウスの名前ですね。
名前は「SOU Hayama」に決定いたしました。今回のネーミングには以下の三つのSOUが込められています。
・創・・・“創る”を楽しむ
・想・・・設計者である小谷部育子さんの想いをつなぐ
・蒼・・・窓から臨む葉山の蒼い空
「前回のイベント時に参加者のみなさんからネーミングのヒントをいただき、上記の名前となりました。みなさんがこの建物についてしっかり考えてくださったことがとてもうれしかったです。ありがとうございました」
――完成したシェアハウスの感想はいかがですか?
「住人との距離感、採光や風の抜けなど、まさに設計した小谷部育子の想いが大事にされていると感じています。」
――このシェアハウスのこだわりのポイントはどこですか?
「リビングが明るく開放的で、作業台を中央に設置したので、今日のようなワークショップを行なうのに適した良い場所になったと思います。」
――今回のプロジェクトを「参加型」で作ってみての感想はいかがでしょうか?
「参加型にしたからこそ、これまで知り合えなかった方々とのつながりが広がっていく事を実体験できたのだと思います。このプロセスは自分ひとりではつくることができなかったと思います。
その道のプロでなくても自分なりの創作活動をしている人にぜひ住んでいただけたらと思っています。シェアハウスに集まるメンバーで葉山芸術祭に参加してみたいですね。これからが非常に楽しみです」
みなさん黙々と作業に没頭!現地のものづくりの様子
同時刻に1階ワークショップスペースで行われたワークショップでは、講師のNakaさんにアフリカの布をお持ちいただき、能條さんのご実家にある着物の生地と合わせて、施設内に飾るガーランドとタペストリーを作成しました。
オンラインで見学ツアーをしている最中もみなさん黙々と作業されているのが印象的でした。
着物の生地は、能條さんのおばあさまが集められていたものとのことで、このあたりにもSOU Hayamaのネーミングの由来のひとつである「想いをつなぐ」ということが表現されています。
完成後の作品を眺めながら、「次はマスクを作りたい」「ダーニング(布にあいた穴を繕うための刺繍技法)にも挑戦しましょう」「毎週水曜日に腰越でも行なっているのでそちらでいかがですか」など、自然とコミュニケーションが生まれているみなさんを見て、まさにものづくりを通じてコミュニティがつながり、広がっていくのだということを実感しました。
お互いのプライバシーを保ちつつも、ものづくりという共通のテーマをもった仲間と暮らしていく、そんな場所が葉山にまた一つ増えたことを感じられたイベントとなりました。