官民共創のまちづくり事例。コ・クリエーションで「育てる」
まちづくり分野においても、立場の異なるステークホルダーとつながり、新しい価値をともに生み出していく「共創」(co-creation/コ・クリエーション)の考え方が広がっています。今日のまちづくりで大切なことは、市民や企業などが担い手となってともに地域の価値向上に取り組むこと。官民連携で取り組む際のポイントを「人材育成」「組織構築」「地域ファイナンス」のテーマ別でお伝えします。
1. 地域活性や地方創生につながる実践的手法の確立を
日本の多くのまちはすでに成熟していて、新しいハードはそれほど必要ではなくなってきました。国や一部の企業による「つくる」まちづくりから、「育てる」ことに重きを置くエリアマネジメントへと転換が求められる昨今。地域活性や地方創生につながる持続可能性の高い実践的手法の確立が喫緊の課題です。ハロリノはこれまでの取り組みから、次の3つが課題解決の糸口になるのではないかと考えます。
- 行政財源に頼る傾向が強く、一方で自治体は単年度での予算組みが一般的なため、施策継続性に欠けること
- 事業者育成が部分的、断片的になりやすく、「育成」から「実践」までの継続支援が行えていないこと
- 地域社会を構成する多様なステークホルダーがひとつにまとまり、参画するスキームがないこと
これらの課題の根本にあるのが「人材不足」と「財源確保」であることが、次のデータから分かります。
こうした課題を解決する上で大切になってくるのが、国や行政任せにしない姿勢。さまざまなステークホルダーがつながり、新しい価値を生み出していく「共創」(co-creation/コ・クリエーション)の考え方で地域の価値向上に取り組むことが求められます。
2. 持続可能性を高める、人・組織・ファイナンスのステップ
持続可能なエリアマネジメントを実現するためにはさまざまな手法がありますが、ここでは地域のステークホルダーが「共感」から投資するまちづくりファンドを組成運用するまでの3つのステップと、それぞれのステップに有効な共創事例を見ていきましょう。
- 地域に根ざす事業者・プロデューサーといった「人材の育成」
- 自治体と連携した「組織の構築」
- さまざまなステークホルダーが参加できる地域ファイナンスの構築
人材の育成
空き家・遊休不動産を利活用した地域に必要な事業と人材を創出します
(1)空き家活用アイデアコンテスト
空き家・遊休不動産を対象にした利活用アイデアを募集し、事業者候補と関係人口を増やす
(2)事業者育成型公募
地域の空き家遊休不動産を利活用したい事業者を募集し、実現まで伴走する「新しい公募のかたち」
(3)空き家バンカー育成&空き家バンクアップデート
多様なライフスタイルの変化に対応できる空き家バンクの運営の担い手「空き家バンカー」を育成
(4)空き家再生プロデューサー®育成プログラム
空き家遊休不動産を利活用する事業のプロデュース人材を育成
組織の構築
まちづくりの中心となる組織の構築・運営をサポート
(1)”実行力のある”まちづくり組織構築プログラム
人材育成から新しいまちづくり組織をつくるほか、既存のまちづくり会社等を”実行力のある”組織へとアップデートすることもあります
地域ファイナンス
地域のステークホルダーとの“連携”で持続可能なまちづくりファンドを実現
(1)ふるさと納税の活用
地域活性化につながる遊休不動産の活用プロジェクトとの連携で、関係人口を増やす
(2)まちづくりにおけるPFS導入
空き家問題の解決や関係人口の増加などを軸とした、成果連動型民間委託契約活用
(3)まちづくりファンドの組成・運用
様々なステークホルダーが参加する”透明性の高い”ファンドで官民連携の地域運営
3. 行政や企業との官民共創のプロデュースも
空き家・遊休不動産を利活用して事業を行う人と投資家をつなぐ共感投資プラットフォーム「ハロー! RENOVATION」(ハロリノ)を運営するエンジョイワークスが、コ・クリエーションを柱にまちづくりの活動を始めて15年。見えてきた課題を解決するべく、自治体や企業との官民共創の事業を継続して展開しています。
古くからの業界慣習に捉われない新しい視点やスタイルであらゆる人にとって価値あるものを創り出す「共創」を目指し、住まいや場所、コミュニティに関するプロデュースを行っています。気軽にお問い合わせください。
株式会社エンジョイワークス 事業企画部
神奈川県鎌倉市由比ガ浜1-3-1-2F
https://enjoyworks.jp/produce
0467-53-8583 (9:30~18:30受付、水・日を除く)
〔エンジョイワークスについて〕
エンジョイワークスは不動産探しから建築設計、建築後の建物の運営・管理ノウハウの提供まで、まちづくりに関連する事業を展開。地域の一人ひとりが、自分の家づくりやお隣さん、まちとの関係を「自分ごと」として考え、行動する人を増やしていくことで、「住」の分野を進化させ、自分自身もまわりの人もより豊かに生きられる社会となるよう活動しています。
その活動の柱にあるのが「共創(Co-Creation)」です。企業のミッションに「ライフスタイル(暮らし方、働き方、生き方)について自ら考え、自ら選択することのできる仕掛けを提供し、共創する機会を生み出すことで、持続可能で豊かな社会の実現に貢献します」を掲げ、達成に向けてさまざまな「参加型まちづくり」のツールをワンストップで提供。多様な人々と一緒に、みんなにとって価値あるものをつくり出すため、多様な人々の多様なライフスタイルと事業の実現をサポートしています。