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「ものづくり」から葉山とつながる、シェアハウスづくりをみんなで考えよう

ハロリノ編集部

こんにちは!ハロリノの世良です。

神奈川県葉山町の一色エリアで、シェアハウスをみんなでつくるプロジェクトが始まります。2021年1月からイベントを開催、5月にオープンを予定しています。

豊かな自然の中暮らす、ものづくり一家との出会い


プロジェクトの始まりは、シェアハウスとなる一軒家のオーナー、小谷部直子さんご家族との出会いでした。
ハロリノの運営元、エンジョイワークスにリノベーションの相談をいただき、2020年春、ハロリノスタッフも一緒に葉山一色にある小谷部さんのお宅を訪れました。小谷部さん夫婦と娘息子の家族4人で長年住んでいたお宅は、こだわりのある家であることがうかがえました。
お話をお聞きすると、この家の設計はオーナーさんの 妹、小谷部育子さんによるものでした。育子さんは日本女子大学家政学部で教授をされ、住居学、建築設計、建築計画などを専門とされていた一級建築士。建物のところどころに育子さんの家族を想う気持ちが込められていたのです。

小谷部さんは4人姉妹。お父さんが子どもたちに自然豊かな土地で暮らしてほしいと考え、戦後、この土地に引っ越してきました。今では4姉妹それぞれが敷地内に家を建て住み、家族で一緒に葉山の自然をめいっぱい感じながら暮らされています。

「ものづくり」を自分のペースで楽しめる場所


育子さんが6年前に、お母さんが3年前にお亡くなりになられ、直子さん家族は隣接している育子さんとお母さんの住んでいた家に移ることになりました。空いた元の家をどうするか、スタッフと考え、小谷部さん一家が暮らしの中で大切にされていたものをテーマとしました。それは「ものづくり」です。

和裁が得意で、観世流謡曲を教えられていたお母さん。
お父さんは手先が器用でDIYが得意。趣味で鎌倉彫や菊の栽培をされていました。
三女の育子さんは建築、次女である直子さんは洋裁とお料理が得意で、お子さんのために手作りしていたそうです。
さらに、長女のお姉さんは書道の師範、四女の妹さんは洋裁のプロです。
直子さんの長女、能條さんは神奈川県厚木市で磁器クラフトや、立体刺繍の教室を開かれています。

みなさんの暮らしに寄り添うように「ものをつくる」ということの豊かさを育んだ一色の住まい。このプロジェクトでは、その思いを受け継ぎ、葉山の自然を感じながらゆっくりものづくりを楽しめる場所をつくりたいと考えています。

住居兼仕事場として、セカンドハウス的なアトリエとして、ときには展示や教室でものづくりをシェアする場として生まれ変わります。

育子さんの想いをつなぐ、人と地域と「シェア」する拠点へ


リノベーション前の小谷部邸の図面

なぜ「シェアハウス」にするのか。部屋数が多いことも理由の一つですが、詳しくお話をお伺いすると、そのつくりには設計された育子さんの想いが込められていました。

育子さんは、「コレクティブハウジング」を日本で啓蒙されていた第一人者です。それは、個人や家族のプライバシーのある住宅として完備した接地型の住宅集合や積層型住棟内に、各住戸の延長として日常生活の一部を共同化するための共用空間や設備が組み込まれた住居集合形式。

彼女の著書でコレクティブハウジングについてこう書かれています。「個人や家族のプライバシーを大切にしながらも血縁にはこだわらず、少しずつ時間やスペースや知恵を皆で出し合うことができたらずっと楽で経済的で、暮らしに新たな楽しみも生まれるのではないか」※

育子さんの研究室の卒業生、中村直美さんに、育子さんについてお伺いすると「シェアできるものはシェアし、好きなものにはこだわり、その他のものはシンプルに暮らす」、さらに設計では「プライバシーは保ちつつ、人のぬくもりを感じる」空間づくりをされていたとのことでした。

かつては先進的だった、育子さんのこのような暮らしの捉え方は、ライフスタイルが多様化する中で家族の間でもプライバシーに配慮し、家族以外とも空間やものをシェアすることが増えている、いまの時代に重なるところが多くあると感じました。


人の気配を感じるあたたかな光が個室から差し込む小窓

団らんをするのが楽しみになるような大きな窓が印象的なリビング

会話を楽しみながらちょっとした家事を一緒にできそうな踊り場。

お話をお伺いしてからお宅を見学すると、育子さんの想いが私たちにも伝わってくるようでした。
「シェアハウス」と「コレクティブハウジング」はそれぞれ異なる特徴を持っていますが、育子さんが設計当時から大切にされている「お互いを尊重しながら共に暮らしを楽しむことで生まれる、日々の豊かさ」をこのプロジェクトでつないでいけるのではないかと考えています。

葉山暮らしを楽しむ人とつくるシェアハウス


この家で生まれ育った能條さんに葉山の土地についてお伺いしました。
「海が近く、空気がゆったりして居心地がいい場所ですよね。まちの方も暮らしを楽しんでいる人が多くて、都心などからいらして新しいことに取り組んでいる方にも刺激をもらいます。そんな方にもシェアハウスを使ってもらえたら嬉しいです」

1991年から始まった地域住民参加型で行う「葉山芸術祭」で知られるように、暮らすこととものづくりが密接につながり、カルチャーが絶えず生まれている地域でもある葉山。これからできるシェアハウスではそんな葉山とつながれる拠点にもなれたらと能條さんは考えます。

きっと、このシェアハウスを楽しむのは住む人だけではありません。秘密基地的な小さなアトリエとして利用する人もいれば、展示を見に訪れる人も。共通点は「ものづくり」が好きなこと。「ものづくり」と一言にいっても、人によってつくりたいものやスタイルはさまざま。

共用部の使い方をみんなで考え、DIYを楽しみながらシェアハウスづくりをしていきます。
ものづくりをする空間、時間、想い、考え方をシェアし、豊かな暮らしを地域の方やハウスメイトと一緒に楽しめる場所を。あなたは何を「シェア」したいですか?

2021年1月30日(土)にシェアハウスとなる小谷部邸現地でキックオフイベントを開催。現地見学とともに、葉山を知り、暮らしの中の「ものづくり」についてゆっくり考えます。お気軽にお越しください。
※当シェアハウスの入居は女性限定ですが、イベントには男性もご参加いただけます。

イベント詳細はこちらから
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※出典/「コレクティブハウジングの勧め」(出版:丸善、発行:1997年)

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