絵を描くことをもっと当たり前に。趣ある大阪の下町「空堀」で始まるアートプロジェクトとは

こんにちは! ハロリノのだいきです。

突然ですが、皆さんは最近、絵を描きましたか? 美術の授業以来、絵を描いていないという方も多いのではないでしょうか。子どものころは絵をたくさん描いていたのに、大人になると忙しい日々のなかで“描く時間”を忘れてしまいがちです。そんな人たちに、のびのびと絵を楽しんでほしい。そんな思いで、新たなプロジェクトが始まります!

今回のプロジェクトリーダーはグラフィックデザインを生業とし、一児の母でもある松下美沙子さん。いま“絵離れ”が起きていることに課題を感じて「誰もが気軽に絵を描ける場所」をテーマにプロジェクトを起こそうと決意したそうです。

プロジェクトの舞台は大阪「空堀」。大阪城の南に位置していて、戦災を逃れたため、大阪市の中心に位置していながら、長屋住宅や空堀商店街など古くからの風情ある下町の街並みが残されています。車が入れない路地などレトロ感あふれる街歩きスポットとして各種メディアに取り上げられていて、映画「プリンセス トヨトミ」の舞台にもなっています。

そんな空堀では長屋住宅等を改修した複合文化施設「萌・練・惣」や、年に一度まちじゅうにアーティストの作品が飾られるイベント「からほりまちアート」などの取り組みによって、まちのブランドを高めたこともあり、作家活動をされる方など、アーティスト気質あふれる方が数多く住んでいます。

気軽に絵を描ける場所「ペイント・ラウンジ」構想と空堀

「絵を描くって結構大変。道具をそろえることはもちろん、部屋を汚さないように気を付けなければ。こうした理由で絵を描くことのハードルが上がってしまっています」と松下さん。松下さんは本業であるデザインの仕事をしながら、デザインの相談を気軽にできる「もしもしデザイン」という名のユニットを友人と設立するなどデザインのハードルを下げる活動をこれまでしてきました。

そんな想いを持つ松下さんは一昨年の11月に、ハロリノの運営元エンジョイワークスが手掛ける「全国空き家再生プロデューサー育成プログラム」に参加して事業化を決意。コツコツと準備を進めておよそ一年でプロジェクトの実現に至りました。

松下さんがデザインされたペイント・ラウンジのロゴイメージ

新たに事業をつくる上では、イベントへの参加や事業を行う場づくりにも参加できるという関わり方があり、空堀の人を巻き込みながら参加型で創り上げていきます。松下さんの想いを実現し、このプロジェクトを成功するために、我々エンジョイワークスと一緒にクラウドファンディングを活用した資金調達を行い、プロジェクトを進めていく予定です。

さらに今回のプロジェクトを力強くサポートしてくれるのが、「からほり倶楽部」の理事を務める小上馬大作さん。からほり倶楽部は建築家や不動産業者、デザイナーなどさまざまな職種の方が参加するまちづくり組織で、長屋住宅をリノベーションし、複数のテナントを組み込んだエリアを象徴する複合文化施設「萌(ほう)」、「練(れん)」、「惣(そう)」を手掛けています。松下さんは以前、小上馬さんと協力してビルの空きテナントを活用したアートイベントを手掛けた経緯があり、空堀でおもしろいことを起こすのであれば、と小上馬さんに協力いただけることになりました。

公園の隣に位置する「萌(ほう)」にはコワーキングスペースなどのテナントが入っています
通り抜けできる路地があり、風情がある「練(れん)」
屋根が緑化されている「惣(そう)」。今回のプロジェクトの物件の向かいにある建物

長屋をうまく、楽しく活用し、レトロ感あふれるデザインに加えて、にぎわいのある魅力的な施設に改修しています。また、これら三つの施設を歩いて行ける距離に計画し、ネットワーク化することでまちを回遊する人を増やし、まちを楽しむ人を増やす仕掛けとなっています。これらの施設に加えて、昔ながらの風情ある長屋住宅や路地空間を残っていることや、アーティストが集まるエリアの魅力あふれるまちという点が空堀エリアのイメージを向上させています。松下さんもこのエリアにあこがれて空堀に移住したそうです。

小上馬さんは、からほり俱楽部だけでなく、不動産会社「人と不動産」を営みながら、DIYで改装したレンタルスペースなどを運営するなどアーティスト気質あふれる企画をされています。今回のプロジェクトでもDIYのイベントを開催する予定ですので、興味のある方はぜひ参加してみてくださいね。

思い立ったらまずやってみる、小さくイベントから

0歳のお子さんの子育てをしながら新たな事業をつくるということはなかなかハードなチャレンジになります。しかし、「誰もが気軽に絵を描ける場所」というテーマを達成するためにきちんと事業計画を作っていく必要があります。そこで松下さんにとって初挑戦となる今回の事業では、やりたいことのビジョン、ターゲット設定や提供できる価値は何か?を追求し、検討に検討を重ねました。
絵を描けるカフェや展示スペースのある教室などさまざまありますが、事例を参考に考えるだけでは限界があり、「事業は小さく始めてみてニーズをつかむ!」と松下さん。手探りで事業のニーズを実証実験的に探っていきます!

まずは仲の良い知人を集めてミニイベントを催しました。やってみたいことを実際にやってみるとどうなるのだろう?ということで、早速絵を描いてみました。

ミニイベントの風景

美術や工作などものづくりをしているときを思い出してみると時間を忘れて夢中になっていますよね。ラフに遊びに行く程度だった参加者の皆さんも、いざ作業しだすと夢中になり、会話を忘れて作業に没頭していました。最近の研究では、創作活動に没頭することで心身をリラックスさせ、健康によいということが分かったそう。

ミニイベントの様子 皆さん黙々と作業しています

そして、ようやく完成!!
作品を創る、絵を描くことは、上手い下手ではなく、自己を表現できたかどうか。作品を完成させたみなさんは達成感に満ちあふれている一方で、もっとこうしたらよかったなんて、また筆をとる方も。

作品完成! みなさん、おつかれさまでした!

自分で作ったものは愛着が湧きますよね。学生時代に描いた絵を部屋にずっと飾っている感覚です。しかし、そんな経験が、たとえばカラオケに行くように身近にあり、自分が作ったものがあふれる暮らしができたら――? 自分らしく絵を描くことを楽しみ、心の豊かさを追求できる可能性があるのではないでしょうか。こうした「絵を描くことで暮らしを豊かにすること」を大きなビジョンに入れて進めています。

事業において大事なことは、小さく始めること。
頭の中でやりたいと思っていることを簡単でいいので実際にやってみることで、たくさんの気づきを得ることができ、イメージの具体化が進みます。今後も少しずつ新型コロナウイルスの感染防止に努めながら、少人数でオフラインイベントを催しながら、ニーズを掴んでいこうと取り組んでいきます。空堀に近い方はぜひご参加ください。「こんなイベントをしてほしい!」といった声も歓迎です。

一方、全国から参加いただけるオンラインのイベントも並行して進めていきますので、こちらもぜひ。普段アートに触れる機会が少ない方向けにもイベントを企画していきます。

ペイント・ラウンジを引き続きお楽しみに!!

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