四天王寺大学教授 天野了一さん「地域とかかわりながら、ものごとを興せる人材を育てたい」
個性豊かなコミュニティメンバーに支えられている道明寺プロジェクト。今回は教育者の立場として、学生とともにまちづくりに携わる活動をされている、“あまやん”こと天野了一さんに、MONZENに期待することについてうかがいました。
“あまやん”という愛称で親しまれている天野さんは、藤井寺市のお隣、羽曳野市にある四天王寺大学経営学部の教授として中小企業論やベンチャー起業論、地場産業・地域の活性化について研究されています。
学生時代のアメリカ・ニューメキシコへの留学や非営利の民間経済団体の職員として国際的な仕事に携わった経験から、起業について学ぶため社会人大学院へ。
ーー教育の現場に携わられるようになったのはどういった経緯ですか?
系統的にビジネスを勉強しなければ起業家として成功できないだろう、という思いがあり、社会人大学院に進みました。関西学院大学でアントレプレナー課程を専攻してベンチャーや創業、起業の理論などを学ぶなか、先生の紹介で起業を希望する「ベンチャーゼミ」の学生たちと関わるようになりました。
そこで感じたのは、自ら商売するより、これまでの非営利組織での経験や知識、人脈を活かして、若者の新しいチャレンジや起業を支援したいという思い。そこで、さまざまな研究や実践活動を重ねていたころ、四天王寺大学の経営学部で、ベンチャー関係や中小企業論、NPOや関西経済、社会システム分野の教員募集があったのです。非営利の世界から教育の世界に移って10年になりますね。
ーー大学と地域の関係性はいかがですか?
学内には、まちづくりや地域の経済活性化に興味のある人は残念ながら少ないですね。長年勤務する教員や職員でも、地域と関わらずに過ごしてきている人は多い気がします。地元のお風呂屋さんに行ったことも、道の駅や藤井寺のお店で買い物や食事をしたこともなく、なかには地域に知り合いがいない人も。
でも学生のなかには興味を持つ子もいるので、告知の分母を増やせば人材は見つかります。彼らが地域のリーダーとなったり、地域で起業したりすると、高齢化やサラリーマン化が進む日本の未来も、もっとおもしろくなっていくのではと思います。
ーー藤井寺・道明寺はどんな場所ですか?
自分は阪神間の西宮出身ですが、、藤井寺にはなんの知識もなく、道明寺という地名もこちらに赴任してくるまで、恥ずかしながら知りませんでした。南河内というと「河内のオッさんの唄」みたいな怖そうなイメージがありましたが、実際に接してみるととても親しみやすい方ばかりですね。
自ら興味をもって飛び込んでいくことで、stranger、よそ者の私も受け入れてもらえ、今ではすっかり第二の故郷に。とてもおもしろく楽しく毎日を過ごしています。お祭りでコントなんかもやりましたよ。
道明寺で毎年行われてきた歴史まつりで、学生たちと歴史装束ににコスプレして、街づくり協議会のみなさんや学生たちも一緒にコントをしました。
学生たちは大学で学んだ内容は忘れても、このような経験はずっとチャレンジ精神として残っていくのではと思います。大学教育の本質とは外れるかもしれませんが。コロナが終息したら、ぜひまたやりたいです。
ーーあまやんさんは、具体的な地域課題を講義に取り入れられています。日ごろからコミュニティメンバーとして応援しているMONZENプロジェクトに、教育者として関わるイメージはありますか?
MONZENはさまざまなかかわり方ができる施設です。地域住民も使うし、観光客も訪れる。多様な人が集まるであろうMONZENに、「おもしろいことをなにか一緒にやろうよ!」と学生たちを引っ張ってきて、彼らの挑戦をいろいろな人たちでバックアップする。そんなきっかけをつくっていけたらいいですね。
真面目に勉強して、有名企業への就職や公務員を目指してほしい。大学や親にはこうした意向があると思います。でも私は、就職だけを考えるのではなく、楽しみながら、自分らしい生き方を見つけることをバックアップしていきたいです。
MONZENが、学生たちがそれぞれ好きなことを見つける機会となり、地域で起業したり、地域で活躍したりする若いリーダーが集まる場となることを楽しみにしています。
藤井寺市のまちづくり関連イベントでお見かけした際には、ぜひ「あまやん!」と声をかけてみてくださいね。あまやんのことをもっと知りたいと思われた方は、藤井寺のウェブメディア「ところと」でも、あまやんさんに語っていただいてますので、ぜひそちらもご覧ください。
https://tokoroto.net/amayan
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