空き家辞典vol.2「クラウドファンディング」

本コラム「空き家辞典」では、空き家再生に関わっていく上で気になる法律や用語を専門家に質問しながら解説してもらいます。
 
 
本日のテーマは「クラウドファンディング」
 
 
★質問者:れいちゃん
ハロリノ編集部。他業界からの転職組のため不動産基礎知識ゼロの素人。
 
★回答者:はまちゃん
ハロリノ編集部。一級建築士・宅地建物取引士。

■クラウドファンディングとは?

れいちゃん:ハマちゃん、聞きましたよ!
ハロリノにクラウドファンディングがついに実装されるそうですね。(2017年10月中旬予定)
ところでクラウドファンディングって、クラウド(=群衆)からお金を集める方法のことですよね?
ハロリノの場合は、どんな人がクラウドファンディングを使うんですか?

はまちゃん:ハロリノのクラウドファウンディングは、プロジェクトリーダーが空き家をリノベーションする際に必要な費用を集めるために使う想定です。

れいちゃん:じゃあ、お金を出すのは、それを応援したい人、ですね?

はまちゃん:そうですね!今ハロリノを見ている人みんなが、支援する可能性のある人ですね。

れいちゃん:でもお金を出す人は、なにか「見返り」を期待すると思うのですが?そのへんはどーなっていますか?

はまちゃん:クラウドファンディングには一般的に「寄付型」「購入型」「投資型」の大きく3種類に分類できるんだ。
ハロリノが当初実装するのは「購入型」。つまり、プロジェクトリーダーから金銭以外の「リターン」を期待して購入するんだ。

■「リターン」は何にする?

れいちゃん: 空き家再生における「リターン」ってどんなものが考えられるかしら?まさか出来上がった建物の屋根や壁の一部をあげるわけにはいかないじゃないですか…。

はまちゃん:そうだね、リターンの内容はプロジェクトによっても変わってくるだろうけど、例えば「カフェ」をつくっていくプロジェクトならばリターンとしては、優待価格での飲食チケットなんかが考えられる。

れいちゃん:いいですね!「リターン」を購入した人が、来店してくれるってわけか!

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■クラウドファンディングのメリット

れいちゃん:プロジェクトリーダーにとっては、リターン内容を考えたり、それらを用意して郵送する負担もありそう。それでもクラウドファンディングを利用するメリットって何ですか。

はまちゃん:クラウドファンディングには、「お金を集める」以外にもうひとつ重要な側面があるよ。
それは、プロジェクトのファンづくりなんだ。例えば田舎にカフェを開業する場合、明日からいきなりオープンしてもきっとだれも開店を知らないし来ない。ところが仮にクラウドファンディングで100枚コーヒーチケットをリターンとして売っていたとしたら、購入した100人はきっと来店してくれるだろうし、実際にはリターンを購入しなかった人もクラウドファンディングでカフェのことを知り、近くに来たときには立ち寄ってくれるかもしれない。宣伝にもなるんだよね。

れいちゃん:なるほど。クラウドファンディングは開店前からのファンづくりにも一役買うというワケですね!確かに空き家再生のプロジェクトとクラウドファンディングは相性がよさそう。

DIY

■クラウドファンディングのコツ

れいちゃん:クラウドファンディングで支援を得やすくするためのコツみたいなものってありますか?

はまちゃん:キーワードは「共創(CO-CREATION)」ですね。つまり、サポーターにも一緒に創る醍醐味を味わってもらえるように意識するかどうか。プロジェクトのコンセプトはもちろん、クラウドファンディングのリターンも、ひとりよがりにならずにサポーターを巻き込むことをわすれずに。今の時代、「一緒に創る」という行為そのものに価値を感じる人が増えているんだよ。
それから、やっぱり面識のある仲間からの応援は強い!自分の身近な人にまず直接支援をお願いしてみよう。現実的な目標達成の目安としては既存の身近な仲間の支援が5割、その他のWEB上のサポーターの支援が5割の割合かな。

れいちゃん:なるほど。ポイントは共創と身近な仲間の支援ですね!

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■資金調達のいろいろ

れいちゃん:とはいえ、クラウドファンディングで空き家再生費用すべてをまかなうのは、なかなか大変そうですね。

はまちゃん:空き家のリノベーションには1000万円以上かかることもあるから、ハロリノではクラウドファンディング単体ですべての費用を集めることは想定していない。例えばリノベーションに必要な1000万円のうち、100万円をクラウドファンディングで集める、といったところだね。

れいちゃん:そうなんだ!?じゃあ、残りの900万はどうしろと?貯金なんてありませんけど。

はまちゃん:残りの900万は別の方法で調達する。ケースバイケースだけど、金融機関や個人投資家、助成金なども資金調達先として考えられるね。
特にこういった先からお金を借りる際には綿密な「事業計画書」や「収支シミュレーション」なども必要になってくるよ。その部分をハロリノ事務局がサポートすることで、目標金額全体の資金調達の達成を目指すんだ。

れいちゃん:なるほど!資金調達の手段はクラウドファンディング一手にしぼる必要はなくて、あらゆる方法で集めてくるというわけですね。ハロリノにおけるクラウドファンディングの使い勝手と資金調達の仕組みが分かりました。ありがとうございました。

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