古民家・平野邸が「食」と「学び」を通した地域の交流の場に
こんにちは、神奈川県葉山町にある一棟貸しができる宿「平野邸 Hayama」運営担当の渡部です。
平野邸 Hayamaは、空き家となっていた古民家をリノベーションし、葉山暮らしを体験できる宿泊施設として2020年4月に開業しました。施設の一部はスペース利用もできます。施設のコンセプトである「日本の暮らしを楽しむ、みんなの実家」を目指し、地域の皆さんと一緒に場づくりに取り組んでいます。
オープン当時は、新型コロナの感染が拡大するなど決して良いタイミングとは言えませんでした。しかし観光客に向けて大々的に集客ができなかった期間にコツコツと、平野邸を持続的に地域の皆さんと一緒に育てていくためのあるべき姿を見つけてこられた事も事実です。
平野邸のあるべき姿は、一方的に運営側が定義するものでなく、運営していきながら常に再定義し続けるものです。
開業してからこの半年、平野邸を運営し、2つの軸が見えてきました。
1つは食育、食文化の発信拠点。
もう1つは食に限らず、あらゆることの学びの拠点です。
今回、この半年間の運営を写真で振り返りつつ、これからの平野邸について考えたいと思います。
葉山環境文化デザイン集団の皆さんと一緒
2020年4月、ツツジの花が春らしくてとてもきれいでした。
この平野邸プロジェクトはもともと、物件オーナーさんから空き家活用の相談を受けた葉山環境文化デザイン集団の高田さんがエンジョイワークスをご紹介してくださったことから始まりました。
そのため、平野邸プロジェクトの最初の仲間は葉山環境文化デザイン集団の皆様でした。
地域のコミュニティガーデンへの第一歩
5月に入り、一般社団法人はっぷ(happ)の皆さんにも活動拠点としてご利用頂けるようになりました。はっぷさんは、葉山の人々が大切にしてきた自然との豊かな暮らしを活かし、地域に根差した園芸療法に取り組まれています。
メンバーの皆さんと一緒にお庭の空いていたスペースに新たな畑を追加で作り、藍や綿を植え育て始めました。その隣には、プロジェクトスタート時からイベントなどにご参加くださっていた増田さんがご自宅のお庭にできていたミニトマトの苗を持ってきてくださり、だんだん畑らしくなっていきます。
庭を中心に、少しずつ人の出入りが見えてきたのがこの時期でした。
「日本の暮らし」「みんなの実家」というキーワードはありましたが、まだまだ具体的な平野邸のあるべき姿までは見えていない時期だったと思います。
食文化をつくるのはコミュニティ
6月に入り、葉山環境文化デザイン集団の高田さんやはっぷさんが活動する水曜日を、平野邸開放日とし、自由に見学頂けるような時間を設けました。これをきっかけに平野邸がまさにコミュニティの拠点になっていく事を実感していきます。
多世代の方々が食事を囲んだり、初めましての人同士がここで仲良くなったり、2回目に来た人が初めての方を連れてきたり。
「平野邸に興味はあるけど行くきっかけがない」という方にも来てもらえるよう、500円で食べられる「ワンコインランチ」も始めました。地域の方のご協力のおかげで、だんだんランチ自体に人気が出てきて、毎週来てくれるようなファンが出てきたり、ランチ利用者同士が別日でスペースを利用して集まったりと、開放日から発展していくものがたくさんあったと感じています。
ワンコインランチを作ってくださっている土田さんが「料理はあくまでその場のコミュニティを円滑にする媒介である」と教えてくれたのが印象的でした。みんなで一緒に食卓を囲みながらコミュニケーションが生まれる。その積み重ねが新しい食文化に発展していくのだろうと感じています。
先日、宿泊のお客様の夕食を平野邸でご用意することになった際にも、葉山を拠点に活動する料理家の方に依頼し、おいしさだけでなく、食材生産者のこだわりや販売方法の背景なども一緒に伝えながら食事をしていただける機会をセッティングしました。
また、子どもたちと一緒に畑に行き、自ら収穫した食材を平野邸で料理するような料理教室が開催されるなど、食育をテーマにしたワークショップが生まれてきています。
平野邸が食文化の発信拠点となるような場所になっていけばと考えています。
学びのきっかけづくりの場を目指して
9月を過ぎるころには、利用の幅がさらに広がりました。、Youtuberの方が集まって動画の作り方レクチャーを泊まりがけで行ったり、はっぷのメンバーの皆さんが和ハーブの講座を開催したりと、「学び」がキーワードになっている講座やワークショップが開催されていきます。
そしてこの先もこの場で新たな取り組みが生まれそうです。開業当初からお庭づくりを手伝ってくださっている葉山町在住の増田さんが企画している子どもたちがSDGsを学ぶきっかけになるようなイベントや、他にも町内の方がマイクロプラスティックという海洋ゴミの問題についてのドキュメンタリー映画の上映会などが予定されています。
SDGsもマイクロプラスティックも、言葉だけだと専門的で学術的な面が強く出てしまい、とっつきにくい感じがありますが、まずは「学ぶきっかけ」を創る、学びの入り口になっていくことが、平野邸の目指すべき姿だと感じています。
▼2020年10月31日(土)、平野邸の体験会を開催します!
施設内部のご案内はもちろん、プロジェクトの内容や事業について、またこの場で育まれているコミュニティについてプロジェクトメンバーがご紹介します!
現地でも、オンラインでも参加できます。
見学会の詳細はこちら!
https://hello-renovation.jp/news/detail/9198
※本案内に記載のイベントでは、ご紹介する投資商品等の勧誘を行う場合があります。