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UNKNOWN KYOTOに続け! 関西で始まる三つのプロジェクト

ハロリノ編集部

参加型まちづくりをサポートするハロリノことハロー! RENOVATIONでは、これまでコミュニティを大事にしながら各地で空き家再生プロジェクトを行ってきました。京都では日本全国から参加者を巻き込んで、元遊郭建築を宿泊複合施設「UNKNOWN KYOTO(アンノウン キョウト)」へリノベーション。普通の観光とは一味違った京都を楽しめる場として、SNSやメディアでも話題を呼びました。今では地域の方にも愛されながら日々運営を続けています。

そんなUNKNOWN KYOTOの近くで、新たに三つプロジェクトが始まりました。規模もタイプもバラバラですが、1日で巡れるほどの距離で同時に進んでいます。お気に入りの一つを見つけるもよし、まとめて応援するもよし! あなたの好きな参加方法をぜひ見つけてください。

今回の記事では、関西エリアで起こっていることを順番にご紹介します!

アートを気軽にシェアできる場を全国に。大阪・空堀「ペイント・ラウンジ」

大阪市内の中心部に、空堀(からほり)というエリアがあります。下町らしい風情ある町並みは、さまざまなメディアで紹介されたり、映画の舞台になったりしているため、ご存知の方も多いかもしれません。

空堀の町を特徴づけているのは、空襲を免れて生き延びてきた老朽長屋群。東西約800mにわたる空堀商店街をはさみ南北に密集しています。しかしこれらは法律上、建物単体での建て替えができず、空き家になることで防災問題などさまざまな課題を抱えていました。これに対し、地元の不動産会社など有志のメンバーがまち歩きワークショップやアート展などを企画し、地区の活性化を目指して立ち上がりました。さらに長屋を再生して複合文化施設をつくるなど、日々の取り組みが功を奏し、現在、空堀の町にはアーティストも多く移住してきています。
松下美沙子さんも、アートがきっかけで空堀に心惹かれて移住してきた一人です。移住前から、グラフィックデザイナーとして働きつつも、ある想いを抱えていました。それは「デザインやアートを身近にしたい」ということ。そしてこの気持ちを形にするべく独立すると、同じ想いをもつ友人ともに、気軽にデザインについて相談ができるユニットを設立。空堀の地域の方と一緒にビルの空きテナントを活用したアートイベントを開催するなど、アートと空堀を愛する一児のママです。

写真中央、松下美沙子さん

今回松下さんがハロリノでクラウドファンディングに挑戦する「ペイント・ラウンジ」プロジェクトでは、空き家を活用して、みんなでもっと気軽に絵の具を使う体験を楽しめるラウンジを作ります。この場の使い方は十人十色。もちろんひとりで絵を描くもよし、ワークショップを開催するもよし、お酒を飲みながらペイントパーティーをするもよし。ペイント・ラウンジのイメージを松下さんはこのように言っています。「歌を歌いたくなったらカラオケに行くように、ペイント・ラウンジも、手ぶらで来ても絵を描ける場にしたい。」また、絵を描かない人も楽しめるようにバーカウンターの設置なども考えています。これは、アートを通して人々の暮らしを豊かにしたい、絵を通したコミュニティが生まれる場にしたいという、松下さんのこれまでの活動すべての土台にある気持ちから生まれたアイデアです。松下さんは、将来的にはペイント・ラウンジの仕組みを全国にも展開していきたいと考えています。このプロジェクトはそのための一歩。
2月に開催したオンライントークイベントでは、日本各地からプロジェクトへの共感や応援の声が届きました。

左から2番目、松下さん。向かって右隣にいるのはプロジェクトをサポートしてくれる小上馬大作さん。長屋住宅をリノベーションした複合文化施設などを手掛けた

「もともと絵を描くのが好きだけど、子育て中は準備と片付けを考えると家ではなかなか難しいと友人が言っていました。ママがストレスを発散できると、家族みんなが幸せになれると思います。自分だけで描いてもいいし、子どもも連れて一緒に描いたりできたら楽しそう」というコメントもあり、ペイント・ラウンジの広がりに期待が高まります。さらにイベント中のコメント欄で、参加者同士がアイデア交換を始めるなど、すでにコミュニティとしての芽が出始めているように感じる場面もありました。

イベントの締めは松下さんの決意表明。「アートといえば海外の都市を思い浮かべる人も多いと思いますが、将来的には、アートといえば空堀と言ってもらえるようになったらいいな、と思っています。日本のアートに対する認識が変わるところを目指したいです」。さらには「最終的には私が日本のお札の肖像になる、というのが目標です」と、お茶目なコメントで笑いを誘いました。

これから現場でのDIYも始まります。オンラインでもオフラインでも、ご興味がある方はぜひご参加ください。

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旅の入り口はビール醸造所。 大阪・道明寺「道明寺天満宮門前プロジェクト」

大阪城からさらに南へ、車で30分ほどのところにある大阪府藤井寺市「道明寺」が2つ目のプロジェクトの舞台です。藤井寺市は2019年、周辺市と一体的に「古市古墳群」として世界遺産登録されました。さらに道明寺には、数多くの古墳やその周囲に置かれた埴輪をつくっていた土師氏(はじし)という一族の本拠地だった歴史があります。土師氏はものづくりのプロフェッショナルとして、大小さまざまな古墳造営に携わっていたそうです。
そんな歴史深いエリアでプロジェクトを立ち上げたのは、地元で不動産・建設業を営んでいる西村剛さんです。

左から2番目に映っているのがプロジェクトリーダーの西村剛さん

実は西村さん、すでに地域のキーパーソンとしてボトムアップのまちづくりを実践し、まちの風景と暮らしを受け継ぎながら、新たな人の流れを生み出してきました。西村さんがプロジェクトに取り組むうえで大切にしているのは、市民と行政の両方を巻き込んで横断的にコミュニケーションを取りながらプロジェクトを進めることです。まずは市民が動き、それに続いて行政が動く。この流れを実現するために協議会をつくり、市民の声を行政に反映させることを大事にしてきました。

今回新たに挑戦する「道明寺天満宮門前プロジェクト」では、これまで培ってきた経験や地域での繋がりを存分に発揮し、まちの案内所として、地ビール醸造所やレンタルキッチンの機能を組み込み、まちの入り口となる複合施設をつくります。プロジェクトの中心メンバーは西村さんに加え、創建から1400年以上の歴史をもつ道明寺天満宮の宮司である南坊城さんと、青年会議所理事長や道明寺まちづくり協議会会長など幅広くまちづくりに携わってきた森田さん。2月に行われたプロジェクトのキックオフイベントでは、3人のプロジェクトへの意気込みや道明寺での思い出などをライブ配信しました。地元の参加者からの「懐かしい」といったコメントの他にも、「いつか道明寺に行ってみたくなりました!」という感想もあり、キックオフにふさわしい前向きな会となりました。

地ビールの種類もどんどん増やしていく予定

生産者ごとに多様な魅力があるビール。このまちのビールを片手にご飯を食べたり、歩いたりしながらまち歩きを堪能できる。このまちを見守り行動してきたメンバーだからこそ知っているまちの歴史や新しい見どころや楽しみ方も、ここに来れば誰でも聞くことができる。そんな、まちへの入り口になるはずです。これは観光客だけではなく、地域住民にとっても、新しいまちの楽しみ方をつくりあげていくチャレンジです。プロジェクトリーダーの西村さんは、ご自分のことを「箱をつくるのが一番得意」としたうえで、場の雰囲気をつくるのはそこに集まってくれる人だといいます。「道明寺天満宮門前プロジェクトが動き出すことで、どんな人と出会えるのか楽しみです。皆さん、ぜひご参加ください!」とイベントを締めくくりました。

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暮らせる旅先をつくる。 兵庫県・龍野「暮らしと出会う宿―龍野まちごとホテルプロジェクト」

最後に紹介するプロジェクトはエリアリノベーションのポテンシャルを秘めたまち兵庫県たつの市の「暮らしと出会う宿―龍野まちごとホテルプロジェクト」です。
このエリアは2019年、国内に123地区ある重要伝統的建造物群保存地区(重伝建地区)の一つに選ばれました。武家屋敷と八百屋などの昔ながらの商店、さらにはいたるところに立派な蔵が残る街並みが印象的です。約16ヘクタールにも及ぶ全国的にも最大規模の重伝建地区でありながら、観光地化されず、住民の日々の暮らしが垣間見えることも魅力になっています。

そんな昔ながらの景色の中、よく見ると新しく営業を始めたカフェやレストランがバランスよく存在しています。これらを仕掛けているのは地元の有志のメンバー。2006年に市民出資で設立されたまちづくり会社「緑葉社」代表の畑本康介さん率いるチームが、市民による主体的なまちづくりを広げています。これまで、不動産事業として龍野エリア内の空き家を次々と再生し、開業したい人や、移住希望者とまちを繋いできました。さらに事業は不動産の仲介業にとどまらず、まちに必要な機能をもった施設の設立、運営、観光案内業、イベントの企画と運営など、幅広く活躍しています。すべての取り組みの根底に流れるのは、住民の暮らしや文化を守ることこそ真の街並み保存という考えです。

向かって左から3番目に映っているのが畑本さん

そして今回このメンバーで挑戦するのが、龍野まちごとホテルプロジェクトです。町に新たな人の動きが生まれている今、宿泊に関する多様なニーズに応えるべくクラウドファンディングに挑戦することにしました。ただの宿泊施設をつくるのではなく、龍野エリア全体をホテルのように見立て、空き家ストックの一つ一つを客室にしてしまう構想です。畑本さんたちにとって、このプロジェクトはまちづくりの大きな構想の一部に過ぎません。
プロジェクトメンバーとして参加すれば、その一部始終を近くで見ることができる贅沢。龍野に興味がある方はもちろん、エリアリノベーションについて学びたい人、普通の宿泊ではなく暮らしを体感したい旅好きな方にもぜひ参加してもらいたいプロジェクトです。

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まとめ

クラウドファンディングの金額も、リノベーションする建物の大きさも、プロジェクトリーダーのキャラクターもゴールも3プロジェクト3様。でもすべてに共通しているのは、もしあなたが少しでもワクワクしたなら簡単に参加できる!ということ。そしてプロジェクトメンバーたちはあなたの参加を待っています。
ぜひ、まちの新しい楽しみ方を一緒につくりましょう!

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