次は北海道ニセコ町で“参加型まちづくり”! 地域と観光客をつなぐグランピング宿泊拠点をつくろう
こんにちは! エンジョイワークスの牧 寛之です。先日、私が北海道ニセコ町で携わっているSDGs街区プロジェクトの取り組みの一環である「ニセコ明日をつくる教室」でイベントを行いましたので、その模様をレポートします。後半では、市街地に観光客と住民の接点となる宿泊施設をつくる「ニセコまちなかグランピングプロジェクト」も発表しました!
SDGs街区プロジェクトの概要は以下からご覧ください。
<北の大地の新プロジェクト「ニセコSDGs街区」が目指すもの>
https://hello-renovation.jp/topics/detail/9510
<対談:住民とともに叶えるまちづくり。ニセコ町SDGs未来都市>
https://hello-renovation.jp/topics/detail/10484
明日をつくる教室では、住民のみなさんの暮らしや取り組みに着目し、ニセコでの暮らしについてインタビューしたり、住民の皆さんを先生に迎えてイベントを開催したりと、ニセコ町内でまちづくりにつながるネットワークを形成していくことを目的に活動しています。
今回はわたしが、エンジョイワークスで行っている「投資型クラウドファンディングを使った参加型まちづくり」について発表するイベントを行いました。ニセコ町民センターでの現地参加と、Zoomを使ったオンライン参加、同時に開催し、計20名の方にお集まりいただきました。
イベントを通して、参加型まちづくりがどういうものか、どうして投資型クラウドファンディングを使うのか、どういった事例があるのか、といった部分をみなさんに知っていただき、「ニセコ町でも参加型のまちづくりを実践してみよう」と思っていただくことが今回のイベントの目的です。
参加者のみなさんの質問から大きな気づきが
司会は、ニセコで一緒に活動を行っている暮らし研究家の土谷貞夫さんが担当しました。ニセコ町で行っている明日をつくる教室の説明やエンジョイワークスの紹介、そして今日のイベントの趣旨である「投資型クラウドファンディングを使った参加型まちづくり」についての導入を話していただき、その後、私の方から発表を行いました。
過去に行ったプロジェクト「日本の暮らしをたのしむ、みんなの実家」を題材に、エンジョイワークスがこれまで行ってきた参加型まちづくりの手法やそれによって参加者を巻き込んで一緒に事業をつくり・盛り上げていく過程を説明しました。
熱心に聞いてくださっていた現地とオンライン参加の皆さんから質問をたくさんいただきました。その質問はとても鋭いもので、逆にその質問を答える過程で多くの気づきがありました。
コミュニティづくりに地域差はあるか?
「コミュニティをつくるにあたって、地域差はありますか?」という参加者からの問いは、答えるのが難しかったです。それはプロジェクトリーダーや事業内容、物件状況がプロジェクトによって違うため、地域差についてあまり考えたことがなかったからです。
一方で、沖縄県八重瀬では琉球舞踊を踊るイベントを行い、福岡県糸島では「ふだんの糸島」をコンセプトにSNSで情報を発信、そして神奈川県葉山町では古民家を拠点にDIYや食を軸にしたイベントを行うことでコミュニティ形成に大きく貢献したことも事実。こうした話を受けて、土谷さんがこうまとめてくれました。
「つまり地域差があるかはわからないけど、如何にその地域特有のコンテンツを引き出すか。そこを見つけることが重要なんじゃないかな」
まさにその通りで、地域のコミュニティを盛り上げるためのコンテンツは必ず地域ごとにある。そのコンテンツを発見し、それによって地域に根ざしたコンセプトを作り上げていくのが「参加型まちづくり」のスタートです。そのコンセプトにそってイベントや情報発信を行なってプロジェクトへの共感を集めていきます。そして、集まった共感をもとに、コンセプトを体現する場づくりにかかる費用を「投資型クラウドファンディング」で集め、地域を巻き込みながらみんなが楽しめる場所をつくっていきます。
参加型まちづくり、ニセコでも始めています!
「明日をつくる教室でも参加型の取り組みをすでにやっているんだよね?」と土谷さん。はい、まさにいま牧が取り組んでいるインタビュー活動が、参加型まちづくりの第1歩です。できるだけ多くの地域のみなさんの声を聞き、ニセコに求められている「まちのあり方」につないでいきます。このインタビュー活動が次の「ニセコまちなかグランピングプロジェクト」の道を切り開いています。
市街地での宿泊事業で山とまちの接点をつくる
インタビュー活動を通して地域の課題やニーズが見えてきました。それは、駅前エリアはもっと活性化できるポテンシャルがあることや、観光客とまちとの接点が少ないことでした。
そこで、市街地に宿泊事業をつくっていく「ニセコまちなかグランピングプロジェクト」を提案しました。市街地に観光客が訪れるようになり、まちとの接点ができると、観光客にとっては素晴らしいニセコの景観を単に「消費」してしまうだけの観光から、地域の人々との交流によってもっと深い思い入れのある、関係する場所になっていきます。
将来的には地域とのより深い交流を求めてリピートしたり、中にはニセコに住みたいと思ったりしてくれる方も出てくるかもしれません。さらに、住民のみなさんにとっての観光客は、経済としてのつながりだけではなく、人としての付き合いが生じ、中には友人となって、また来てほしいと願う関係性が築けるかもしれません。
このように参加型まちづくりに秘めるさまざまな可能性についてお話したところ、参加者の方からたくさんのリアクションをいただきました。まちとつながるというコンセプトへの共感や応援したいというコメントのほか、土地取得の課題や景観上の注意点などをご教示いただく場面もありましたが、皆さん前向きに捉えていただきほっとしました。そして、応援してくれる多くの方がいるということがわかり、「ニセコまちなかグランピングプロジェクト」がこの地に求められていることだと確認ができました。
これが一番の収穫でした。今後もプロジェクトの進捗をどうぞお楽しみに。
キックオフイベントは4/25(日)10:00から!
みんなの「楽しそう!」を共有するハロリノ妄想イベント。ニセコ町民はもちろん、全国のニセコラヴァーもふるってご参加ください(現地のほか、オンラインで全国から参加可能です)。新たに始まるのは、ニセコ中心部に町民と旅行者が出会えるグランピング宿泊拠点をみんなでつくるプロジェクト。今回は「どんなコンセプトにしたら楽しい場になるか」をみんなで考えます。
詳細、申し込みはこちらから
https://hello-renovation.jp/news/detail/10754