スマートだけど熱い!設計を担当する椿峰出身の藤村龍至さんを紹介します
こんにちは。「やっぱりニュータウン椿峰ファンド シェアキッチンでつくる!稼げるニュータウン」がいよいよオープンしました。プロジェクトの代表をしております、まちつくり所沢 代表理事の平山毅です。私が椿峰でこのプロジェクトを企画しようと思ったきっかけとなり、「椿峰キッチン」の設計監理だけでなくプロジェクトの運営にも協力していただいている建築家の藤村龍至さんを、私の目線からご紹介します。
藤村さんは、椿峰キッチンがオープンする椿峰ニュータウンの出身で、建築設計事務所「RFA(アール・エフ・エー)」を主宰しながら東京藝術大学美術学部建築科准教授を務め、全国各地のまちづくりにも関わっています。TwitterなどSNSを駆使して発信したりして活動を推進していくことから“ソーシャル・アーキテクト”といった呼ばれ方もされています。
藤村さんとの出会い
そんな藤村さんが、故郷である椿峰ニュータウンの活動に本格的に関わるようになったのは、2015年からの3年間、埼玉県と県内全市町村が参画する「彩の国さいたま人づくり広域連合」の研究チームのコーディネーターを務めたころからだそうです。
埼玉県内4つのニュータウンで進む高齢化と老朽化をつぶさに研究し、それぞれニュータウンで講演や実証実験を繰り返すことで、課題解決を提示しながら活性化の気運を高めていこうとしていました。椿峰ニュータウンではシンポジウムと椿峰中央公園を借りて1日限定のマルシェを開催しました。
私が藤村さんと知り合ったのもちょうどそのころです。まちづくり仲間の紹介で同広域連合の懇親会に参加させてもらえ、マーケティング・アナリストの三浦展さんを囲む会や、所沢市役所の方たちを中心とした交流会(全部飲み会ですねw)で顔を合わせたことがきっかけでした。
それ以前に、2010年のウェブメディア「10+1 website」での三浦展さんと藤村さんの対談(郊外の歴史と未来像)を読んでいて、少なからず藤村さんや椿峰ニュータウンに対しての関心や知識はあったのですが、事業として関わることになるとは夢にも思っていませんでした。
2台プロジェクターを持ち込んだ“伝説の椿峰シンポジウム”
そんな藤村さんに衝撃を受けたのは2017年1月に行われたシンポジウム「椿峰ニュータウンの将来像を考える vol.1」でのことでした。「たとえ参加者がこの5人だけでも開催したい」と呼びかけた経緯や、ユーモアを交えた語り口、公務で途中参加した藤本正人所沢市長に流れを1ページで説明してから壇上へと呼ぶスマートなやり方などに感銘を受けました。
何よりもプロジェクターを2台も持ち込んでいたのを知っておどろきました。たまたま帰りのバスで一緒になったときに聞くと「万一、電球が切れたら終わりだから」と教えてくれ、一期一会の気迫でまちづくり挑む姿勢に心を打たれました。
結局、その日のシンポジウムは超満員で席が足りなくなり、パイプ椅子を追加しても追加しても足りず、最後は立ち見が出るほどの盛況ぶりでした。
藤村さんはその後、鳩山町の「コミュニティ・マルシェ」を受託して、設計事務所としては異例の指定管理事業も始めています。鳩山町コミュニティ・マルシェは現在、キッチンの利用者が満室となっており、ニュータウンの方だけではなく地域外からも出店希望が入るほどの盛況です。鳩山で培った、ニュータウン内での「食」を通じた賑わいづくりの手法を余すことなく椿峰ニュータウンにも注ぎ込んでいただいています。
あれから5年。いよいよ一緒にプロジェクトを立ち上げへ
伝説のシンポジウムから5年経ち、ニュータウンの中に蒔かれた種が少しずつ芽を出してきているように感じます。私は2020年に東所沢サクラタウンに武蔵野樹林カフェをオープンさせ、藤村さんは所沢市景観審議会の会長になるなど、所沢のまちづくりに深く関わるようになってきました。
そして、コロナ禍で「郊外」が再注目されるなか、たまたま良い条件の空き家が売りに出されているのを見て購入を決めたのが本プロジェクト、椿峰キッチンの予定地です。藤村さんと一緒に、鳩山ニュータウンから紡ぐにぎわいづくりをこの椿峰ニュータウンに落とし込んで「食」を通じた郊外ニュータウンの課題解決における成功モデルをつくり、ほかのニュータウンへ展開していくようなプロジェクトにしたいと考えています。
ニュータウンを舞台にした5年越しの新しい物語がこれから始まっていきます。
「椿峰キッチン」の記事一覧
・所沢・椿峰ニュータウンを舞台としたプロジェクトがキックオフ! まち歩きレポート
・スマートだけど熱い!設計を担当する椿峰出身の藤村龍至さんを紹介します
・リノベ前からマルシェを続けよう。「さかみちの市」で広がる椿峰コミュニティ
・ニュータウン再生への一歩は、集まる場をつくること。建築家・藤村龍至さん(1)
・建築の前に、地域とつながる言葉がある。建築家・藤村龍至さん(2)
・【動画】まちづくりのトップランナーが考える、ニュータウン再生の切り札とは?
やっぱりニュータウン椿峰ファンド シェアキッチンでつくる!稼げるニュータウン
https://hello-renovation.jp/renovations/13505
椿峰キッチン シェアキッチン・シェアテラス
https://www.facebook.com/tsubakimineterrace
【対談記事】郊外の歴史と未来像 三浦展(消費社会研究家、評論家)×藤村龍至(建築家)(10+1 website)
https://www.10plus1.jp/monthly/2010/09/1.php