この秋、北海道ニセコの町中でキャンプイベントを! みんなの声で大きく進んだキックオフ

北海道ニセコ町で進むまちづくりを地域住民の参加型で実現するために取り組む「ニセコまちなかグランピングプロジェクト」。4月25日に開催したキックオフイベントは、ニセコでんぷん中央倉庫群を会場に、全国の参加者をオンラインでつなぎながら開催しました。地域内外の人との交流の接点となる宿泊事業づくりの始まりです!

ニセコでグランピングプロジェクトを行うのはなぜか

北海道ニセコ町のまちづくり会社「株式会社ニセコまち」への短期出向を行なっていたハロリノプロデューサーの牧です。出向の締めくくりともなるプロジェクトのキックオフイベントの様子をお伝えします。

ニセコ町で生じている住宅供給のミスマッチを解消するため、400人規模の新たな住宅街「SDGs街区」の開発計画を官民連携で進めるニセコまち。ハロリノ牧のミッションは、ニセコまちに出向し、ニセコで暮らす人へのインタビューを通して、ニセコの暮らしや課題を理解しながら、地域の皆さんにニセコまちの取り組みを知ってもらうことでした。今回のプロジェクトは、こうしたインタビュー活動の中で見えてきたまちの課題を解決するために行います。

(1)観光客は山ではなく、町にきてほしい (2)観光客が町の人と触れて欲しい、そして町を好きになってほしい (3)若者にもっと移住してもらいたい (4)ニセコの歴史を知ってもらいたい (5)農業に興味をもってもらいたい
五つのニセコ町の課題を説明する、ハロリノプロデューサーの牧

前回のイベントでは、この課題を参加型のしかけで解決したいと考え、観光客の滞在時間を延長して地域内外の交流の接点となりえる宿泊施設をつくるプロジェクトを発表。そこで、市街地に宿泊事業をつくっていく「ニセコまちなかグランピングプロジェクト」を提案しました。

くわしくはこちら。
次は北海道ニセコ町で“参加型まちづくり”! 地域と観光客をつなぐグランピング宿泊拠点をつくろう

ニセコ町の中心部にも、市街地エリアには温泉や美味しい飲食店、コワーキングスペース、民営の図書館など豊富なコンテンツがあり、ポテンシャルがあります。そこで、宿泊事業があると市街地に観光客が訪れるようになり、まちとの接点ができると、観光客にとっては素晴らしいニセコの景観を単に「消費」してしまうだけの観光から、地域の人々との交流によってもっと深い思い入れのある、関係する場所になっていきます。LIFULLが販売しているインスタントハウスを使ったグランピング事業を用いて、五つの課題を五つの構想で解決に導こうと考えたものです。

<本プロジェクトの五つの構想>
(1)駅前で:駅前の賑わいをつくりたい
(2)中心市街地の中で:町の人と接点をつくりたい
(3)旧役場の駐車場で:役場の活動をしってもらいたい
(4)有島地域で:歴史を知ってもらいたい
(5)農村で:農家との接点をつくるために

この日のコメンテーターは、ニセコですでにグランピングの場を提供しているニセココテージボンゴ広場の佐々木洋平さん、駅前エリアの活性化に取り組む住まいるニセコの近藤信勝さん、奥田啓太さん、エンジョイワークス代表の福田が登壇。イベント参加者の皆さんにもアイデアをいただきながら、プロジェクトの可能性を探りました。

ニセコ中でグランピングを!

まず駅前の中央倉庫群にある町有地の広場の利活用について、住まいるニセコの近藤さん、奥田さんから「町の住民みんなのための広場なので、長期での使用は難しいですが、短期間のイベントであれば可能性がありそうですね」とコメントをもらいました。

年間数件のイベント利用にとどまっているこの広場。しかし、「ニセコ駅前温泉 綺羅乃湯」があったりコワーキングスペースがあったりと魅力的です。この広場を拠点に、駅前のにぎわいの創出につながるのではと話が広がります。

続いて、ニセコの中心部から近いエリアですでにグランピング事業をされている佐々木さんから2つ提案がありました。一つ目は、ガーデニングや園芸とグランピングを組み合わせた提案です。

ガーデニングが趣味だという佐々木さんが手掛けるボンゴ広場の敷地内

色鮮やかに花々が咲いている美しいロケーションでのグランピングの写真が会場に映し出され、参加者のみんなはワクワクしていた様子。グランピングのイメージが一気に広がりました。

そして、二つ目は、ニセコのさまざまな絶景エリアでグランピングを楽しむということ。

羊蹄山やアンヌプリ、小川に広大な畑など、たくさんの目を見張るロケーションがあちこちに転がっているニセコ町。このロケーションや自然こそがバリューです。このバリューを最大限に活かすという提案に会場が湧きました。「景色もそうですが、森や川辺など空間に泊まるということもおもしろそうですね」などアイデアが次々に飛び交いました。

佐々木さんからの提案を受け、進行役の土谷さんからは「インスタントハウスの構想と組み合わせると面白そうだね。牧くん、こういうアイデアをどう進めていこうか?」という声が。いっきに話が具体化していきました!

ニセコ中心部のさまざまな場所でキャンプ体験イベントを!

インスタントハウスは約150万円かかります。しかし、グランピングテントは14万円程度。そこで、まずはグランピングテントでニセコのロケーションを体験するイベントから始めてはどうかと考えました。実際にニセコでのグランピングに興味がある地域内外の人々に体験してもらい、実績を積み上げていく。そうやってスモールスタートをしていく中で参加者や土地のオーナー、行政なども関わりを持ってもらおうと考えました。さらに妄想は広がります。

「まずはここでやりたい!という場所のマッピングから始めたらどうか?」と、福田からもアイデアが出ました。

さらに、地域おこし協力隊の加藤さんは「農業との接点に興味があります。グランピング場に畑をつくって、その畑を接点に就農希望者と農家とのマッチングや農業体験などのかかわりをつくっていくことできるのでは?」と景色だけでなく、農業体験も魅力に含めて考えていくことを提案。このように複数のまちの課題とアイデアをからめながら、プロジェクトの構想はさらに膨らんでいきました。

農業体験のアイデアを発表する、地域おこし協力隊の加藤さん

グランピングは自然の中に入っていくためのファーストステップ

佐々木さんと同様にニセコ町でグランピング事業をやっている宮崎亘さん。
「グランピングはキャンプ以上ホテル未満。手軽に自然の中で過ごせるグランピングも人気ですが、個人的にはキャンプの方が好きですね。自分のスキルや道具で自然の中に入っていくキャンプにも興味を持ってもらえるといいですね」

このようなコメントに、グランピングという宿泊事業がどんな体験になっていくかもっと考える必要があると感じました。例えば、グランピングを自然体験の入り口にして、自分の足でもっともっと自然に入っていけるキャンプに興味を持ってもらう。そして、キャンプを通じて自然の中に住む生物の種類や水の流れ、空気の匂いなど、ニセコの自然の美しさや尊さを感じてもらえたら素晴らしいですね。

次は5月8日(土)! 市街地のどこでしたいか、みんなでマッピング!

学びが多く、楽しい妄想イベントは時間が経つのがあっという間。今回は、おもしろいアイデアの数々から、ニセコ町中でグランピング体験イベントをやっていこうとみんなの議論がまとまりました。次回のアイデア交換会は5月8日(土)に決定! 佐々木さんのまち中グランピングのアイデアを実現するため、みんなの「ここでキャンプしてみたい!」をマッピングしていきます。キャンプ場の経営もされている宮﨑亘さんにも登壇いただき、トイレや水回りのインフラ設備についてお話いただく予定です。

このようにイベントに参加してくれたみなさんとどんどん議論を重ねて、プロジェクトをかたちにしていきます。ぜひご参加ください!

イベントの詳細についてはこちら
北海道ニセコのここでキャンプしてみたい!のアイデア交換会|ニセコまちなかグランピングプロジェクト

くわしくはこれまでの記事をご覧ください。
次は北海道ニセコ町で“参加型まちづくり”! 地域と観光客をつなぐグランピング宿泊拠点をつくろう

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