「ハロリノで村づくりを学ぶために」投資家インタビューvol.16 内藤崇さん

ハロリノ投資家さんに、投資にいたった理由やハロリノに期待することなどをうかがい、サービスの向上を目指すインタビュー企画。今回登場いただくのは東京都にお住まいの内藤崇さんです。「夢は“村”をつくること」という内藤さんはハロリノで生まれた一つひとつの施設から、まちづくりに広がるストレッチゴールを期待してくださっているという興味深い話をしてくれました。

ハロリノ投資家 プロフィール
内藤 崇 さん
鹿児島県鹿児島市出身、東京都港区在住
職業:会社経営
趣味:建築
出資先:桜山シェアアトリエファンド中銀カプセル保存再生ファンド大阪空堀アート事業づくりファンド(すべて募集終了)

夢を追う人も生きやすい豊かな社会を目指して

——内藤さんは普段どういったお仕事や活動をされていらっしゃいますか。

私は今53歳ですが、47歳の時に会社を早期退職しまして、1年間、友人に障害者スポーツ団体関係の方がいたことをきっかけに、パラリンピックの時期にガバナンス強化の仕事を事務局長として1年ほど働きつつ教育事業の「フォルケ」という会社を立ち上げました。

デンマークに「フォルケ・ホイ・スコーレ」という全寮制の大人向けの学校があって、日本にもそんな学校がほしいなと思ったんです。そこでとりあえず私もそうした大人向けの学校をつくろうと研修事業と教育事業を始めました。

フォルケ・ホイ・スコーレの考えの前提に、人生には「方向転換」のためのギャップ・イヤーが必要で、夢を追っているドリーマーでも誰でも必要であればいつでも「方向転換」できる生きやすい豊かな社会にする、というのがあるんだと思います。その想いから今のフォルケには演劇やバンドで食べていくことを志す人たちや美大を出た新卒社会人たちがPBL(プロジェクト・ベースド・ラーニング)で仕事をしながらビジネススキルを身につけているんですよね。

ただ、大人の教育家計予算はキャリアアップに直接つながらないものにはなかなか出してもらえない。それに教育にコミットしたい人は世の中に山ほどいますが、それは子どものために、と考える人が多いんです。子どものための教育に使命感を持っている優秀な人が山ほどいるので、そういった方々とつながりを持ち、子ども向けの教育も始めています。

内藤さんが代表を務めるフォルケのメンバーでの合宿の様子。年齢も雇用形態も抱く夢もさまざまなメンバーが集まっている

興味深いプロジェクトの体験を少額から買える感覚

——3年前になると思いますが、どういったきっかけで私たちを知ってくださったのでしょうか。ハロリノに対してのモチベーションも聞かせてください。

エンジョイワークス役員の松島さんの前職時代に、私の自宅のコーポラティブハウスプロジェクトをプロデュースしていただいたんです。転職されたとは聞いていましたが、その後、黒川紀章さんの中銀カプセルタワーなどのプロジェクトをご案内いただきました。

私の資産収入は主に株式投資で、最近では不動産投資も始めていますが、ハロリノにおいては利回りはあまり気にせず、プロジェクトの体験価値にからませていただくという感覚です。投資として見るのであれば全部買ってしまった方がいいという考えもありますが、とても興味深いプロジェクトの体験を少額から買える。その金額は5万円から! そんな思いで投資したと思います。

世界的巨匠の黒川紀章が設計した中銀カプセルタワー。2019年にハロリノでカプセル保存再生のためのファンド募集を行った(募集・運用終了)

カプセルの一室を見学する内藤さん(右から2番目)。左隣:エンジョイワークス松島、左はプロジェクトを推進していたウクライナ人建築家、ヴォロディミール・デレズニチェンコさん(愛称:テンシャン)

「とても興味深いプロジェクトの体験を少額から買える」ことをハロリノの価値と感じてくださった内藤さん

——中銀カプセルタワープロジェクトの少し前に逗子の桜山シェアアトリエに投資くださいましたね。

桜山シェアアトリエは、自身もシェアハウスの運営経験があるので、大変さが理解できました。私の友人の娘さんが美大を出た後にアトリエとかがなくて大変だっていうことも知っていて、こちらのシェアアトリエのプロジェクトはなかなかおもしろい取り組みだなと興味を持ちました。もし物件として買えるなら買いたいぐらい。イグジットするときにはぜひ情報を知りたいです。

逗子・桜山シェアアトリエ誕生の発端となった「そんな物件ねーよ!」をつくる会議。こんな物件があったらいいな!を妄想するブレストを行い、参加されたみなさんの中で最も多かった意見が「工房やアトリエがほしい」でした

アトリエとして利用されている14ブースと、別棟になっている小屋の合計15の貸しスペースからなる桜山シェアアトリエ。稼働率は平均95%超を推移(2022年7月現在)

桜山シェアアトリエ、カプセル、そしてペイント・ラウンジへ

——前回の投資から約3年を経て、新たにペイント・ラウンジへの投資を決められたことにはどういったきっかけがあったのでしょうか。

今年美大を出てフォルケで働き始めたメンバーの夢が「美術教室をすること」だというのですが、まったく儲からなそうだと話していたんです。分からないけど教育に関わる夢なら検討する意義はある、ただビジネスとしては成立しなそうだなと。そんなときに、同じようなテーマのペイント・ラウンジさんの取り組みを拝見し、ご自身のビジネスモデルを全国に展開したいという話だったので、学びやつながりができたらいいなと思って参加させていただくために投資しました。

フォルケでの合宿の様子

学びの機会は内藤さんご自身にも、フォルケにも欠かせない

——学びやプロジェクトの成長に興味関心を持っていただいているんですね。この数年間に発足したほかのプロジェクトについてはどう見ていただいていますか。

投資対象とするプロジェクトは、私自身がおもしろそうだなというアンテナが立つテーマであることが中心にありますね。投資額は学びやつながりをつくるための参加費、セミナー代のようなものとして捉えています。ところで気になっていたことなのですが、ハロリノさんはどのような基準でプロジェクトを案件化されているのでしょうか?

——直接問い合わせいただくこともありますが、弊社が全国で行っている空き家再生プロデューサー育成講座に参加いただいた方からの相談でプロジェクト化する案件が多いですね。ペイント・ラウンジのプロジェクトリーダーの松下さんも大阪で開催した講座にご参加いただいたことがきっかけです。ご自身の事業構想を組み立てて事業性を弊社も一緒に検証してブラッシュアップし、案件化する流れです。

なるほど、ハロリノのプロジェクトがどういった基準やプロセスで立ち上がっていくのかをあらためて聞きましたが、相当な時間と手間をハロリノさんが先行投資してくださっているのですね、ぜひ私の村構想にも協力をお願いします。

よりまちづくりに広がるストレッチゴールを期待

——私たちから投資家のみなさんへご提供している情報についてはいかがですか。

桜山シェアアトリエでいうと、必要なものが簡潔にまとまったレポートをいただいています。あの手のシェアものの施設は管理がしっかりしてないと運営も入居率も行き詰まってしまうと思うのですが、このレベルで安定した運営をよくされているなと感じます。桜山の場合は1,200万円のファンドであれだけのレポートを出したり、継続的なコミュニケーションをとったりすることは手がかかると思います。普通の投資商品だったら投資総額や投資家の規模も違うので当然のことだと思いますが、この規模感で各プロジェクトにあれだけコストをかけるのはすごいなと、興味深く拝見しています。イベントも何度とやられていますよね。

投資家に発行する定期的なレポート(左から)3カ月ごとの「運営レポート」、1年決算期ごとの「財産管理報告書

投資家に発行する定期的なレポート(左から)3カ月ごとの「運営レポート」、1年決算期ごとの「財産管理報告書」

——現地での交流や学びの機会などのイベントがあるといいでしょうか?

私自身はそういった体験価値がほしかったのでとてもウェルカムです。一方で、ハロリノのサービスをビジネス視点で見たときには、次のプロジェクトとのクロスセルがあったり、事業がうまく回るベースやモデルプランを築いたりしたら、例えば同じ敷地の中にもう一つ新たな機能が生まれたり、さらなる展開を見られたり、結果、よりまちづくりに広がっていくような、ストレッチゴールがあるといいなと期待しています。おそらくこの話はほかの地域でもピボットできますよね。シェアアトリエという成功モデルがあるので、このビジネスモデルを他の地域でもやっていきませんか、と。それは効率的でもあるしサステナブルですよね。

——まさに桜山シェアアトリエの第2弾プロジェクトとして検討を進めています!

それは楽しみですね。少し違う話になりますが、北海道の日本ハムファイターズが球場の周りのまちをボールパークとして、球場に隣接した高層マンションを売り出したらすごく売れていると。これもまちづくりで、球場をつくるところから始まって、地域でいろいろな広がりを見せていくようにどんどんとストレッチしていく。空き家再生ということであれば、より田舎の方で可能性があると思うのですが、一つだけ再生してもサステナブルにはならない。まずは肝となる核テナントを開発していくことから。その広がりへの学びやコネクションをいただけることについての興味はつきません。

——よりまちへ広げていくというところへ特に関わりたいということですね。

はい、私自身がそういうことをやりたいのですが、自分に経験ノウハウがないので、ハロリノのひとつの空き家再生から、その地域やまちに広げていくというビジネスモデルが背景にあると、より前のめり度が上がりますね。関係人口という意味でも、1プロジェクトに5万円の投資だけだとその程度の関わりになってしまいますが、その地域で複数のプロジェクトに投資してトータルで100万円、1,000万円ということになると、関係人口としても強いコミットの関係になるかなと思います。

——私たちとしてもチャレンジしていきたいところです。

3年前にはスタディツアーでデンマークを訪れ、フォルケ・ホイ・スコーレを新たにつくろうとしている日本人の施設を見学

村づくりの考え方やピースがあるハロリノに学びたい

——参加し続けるモチベーションの核となる部分はどのようなところでしょうか。

私は村をつくりたいという想いがあります。村をつくるには何が必要だろうかと考えたときに、まず必要になるのは中核のテナントと住宅。イメージしたのは金沢に「Share金沢」(CCRC)というところがあるのですが、カンブリア宮殿という経済番組で取り上げられていたのを見たときに、私が住みたい、求める村のかたちはこれだ、と今の活動を始めたのです。ハロリノには村づくりの考え方やピース、ノウハウがあると思ったことが参加のモチベーションですね。事業計画や収支までも公表してくださるし、どんな人がどんな想いで関わっているかというところまで見られるので、素晴らしい学びの機会だなと認識しています。

——「関わる人」という部分では、ほかの投資家のみなさんのモチベーションを見られることにも関心をお持ちですか。

ペイント・ラウンジの投資家オンラインミーティングに参加して感じたのは、事業者さん側の想いやコミットメントの高さはもちろん、投資家のみなさんがコミットする視点も、プロジェクトリーダーである彼女とのつながりや事業への興味などさまざまだということ。通常「私はなぜこのためにお金を使うんだろう」と考えますよね。この投資家コミュニティにいるのは、その一線を乗り越えてきた人たち。こうした思いを共有できるコミュニティというのは希少価値だなと思い、とても興味深く参加させていただいています。

——今後こんな情報が発信されると良いのでは、ご期待いただくところはありますか。

いま進んでいる一つひとつのプロジェクトが、その後どういった展開やストレッチゴールがあって、どういったビジョンを目指しているのかが見えてくると、きっとよりワクワクが高まるでしょうね。そのためにいろいろな関わり方がまた生まれてくるだろうなと。例えば、空き家再生プロデューサーになって自分もコミットしたいなとか、投資家としてコミットしたいなとか、そこに住むことでコミットしたいなとか、いろいろな関わりでさまざまな居場所が見えてくると思うんですよね。そうなってくると「大きなコミュニティビジネス」となっていく気がしますね。投資家としてお金を出してコミットする人、ビジネスとしてコミットする人、自分がやりたいことに時間をかけてコミットする人、さまざまな人が関わるコミュニティにたずさわれることは私にとってとても楽しみなことなのです。

――たくさんの方にご参加いただけるよう多様なかかわり方を今後も考えてまいりますので、引き続き関わり続けていただけたらうれしいです。今日は本当にありがとうございました。

「村づくりを学ぶための投資」とお話してくれた内藤崇さん。バーのあるご自宅(コーポラティブハウス)にて

ハロリノについて
不動産クラウドファンディング「ハロー! RENOVATION」は、資金調達という空き家問題の根本課題にひとつの解決策を示し、みんなで空き家再生を加速させる仕組みづくりに取り組んでいます。想いを持って投資いただいたみなさんにファンドの運営状況を定期的に共有し、投資家コミュニティで交流できる機会を設けています。事業アイデアや応援の声をシェアすることで、より良い事業運営や場づくり、さらにはまちの活性化やまちづくりにつながると考えるからです。「共感投資」という形で想いを託したプロジェクトをぜひみんなで育てていきませんか。

これまでの投資家インタビューもご覧ください
https://hello-renovation.jp/hashtag/result/89

ハロリノ・ファンド一覧
https://hello-renovation.jp/projects

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