地域全体を盛り上げていく "みんなのダイナー" のつくり方。「松本市にオープンしたダイナーに参加しよう!」イベントレポート

11月24日(日)、「みんなのダイナーのつくり方~松本市にオープンしたダイナーに参加しよう!~」が開催されました。

「ダイナー」は、アメリカ式のバーの呼び方。それでは「ハードサイダー」は何のことだか分かりますか? 答えはリンゴの炭酸酒「シードル」のアメリカでの呼び名だそう! シードルは万国共通の固有名詞だと思っていました。と、ひとつ学びです。

イベント当日には、松本からオープンしたばかりのダイナー「Oldies b Goodies」店主の藤原さんと、「リスと設計室」の横山さんが、鎌倉にあるHOUSE YUIGAHAMAに駆けつけてくれました。ハロー!RENOVATIONとしても今日に至るまで何度かイベントを共催し、現地にも足を運び、お話をうかがってきましたが、このプロジェクト、このチームは「おもしろいなあ。やっぱり奥が深いなあ」と今回のイベントでも思い知らされます。

会の始めには、プロジェクトをサポートする、プロデューサーの松島氏から概要の説明。横山さんにバトンタッチ。実際の現場の生々しい話や苦労話もまじえた裏話が語られました。

100名近くの内見者がいる中、想いで勝ち取った蔵での開業

ダイナーが入る蔵、和泉町伍蔵。ここは藤原さんが配達の途中で見つけて、そのままオーナーに駆け込んで……と運命的なストーリーがあるのですが、この蔵のプロデュースを手掛けた仕掛け人のひとり、横山さんの口から衝撃的なお話が。「実は藤原さんの話の前に100名近い人の内見がすでにあったんです。しかもその中には地元の事業家で、もちろん資金も潤沢なところからの話があって」とのこと。

じゃあなぜ今、藤原さんが蔵を預けられ、お店が開けられたのかというと、ドラマみたいな話で、「藤原さんの熱意がオーナーである穂高さんの心に響いた」からなんです。

貸す側に立ったら、借り手は大きな会社で、お金も、実績もある方がいい、信用を求めるに決まっていると思うのですが、藤原さんの「古いけどいいものを伝えていく」お店が出したい、「小さくても強い店」を目指す、そして「地域全体を盛り上げていくんだ」という熱い想いに共感してくれたからなんだそうです。

松本でのイベント開催時にも、ご夫婦そろって参加してくださっていて、「いい関係が築けているんだあ」とは思っていましたが、とても素敵な経緯があったんですね。

「古くてもいいもの」へのこだわり

ほかにも大変だったのは、今は素敵な雰囲気あるお店に仕上がっていますが、ここに至るまでは部材や建具をはじめ、せっかくの建物の雰囲気を活かし、お店の世界観を表現する備品の調達。

横山さんの言葉を借りれば「古いけどいいものを探しまくる旅」とのこと。松本市内はもちろん、県内にもとどまらず、遠くは県外へもチームで何度も「いいもの」ないか?「使えるもの」はないか?と遠征されたそう。

その喉から手が出るほどの気持ちが、なんと、取り壊されることになっていた隣の家にまで達し、「その窓も壊すんですか? 要らないならもらってもいいですか?枠ごと……!」と解体現場に声をかけました。おそるべし、その執念!という具合です。

藤原さんから、今だから笑い話の裏話がたくさんありました。

まずは、「痩せました」。

今回、なぜ松本のダイナーのイベントを鎌倉で?ということにもつながりますが、実は藤原さん、3、4年前まで鎌倉に住んでいて、由比ガ浜通りにある柔術の道場に通っていたんです。

ハロリノを運営するエンジョイワークスの代表福田をはじめとしたスタッフとの縁もそこからで、その縁を生かしての鎌倉開催だったのですが、その柔術仲間から「痩せた?」の質問。すかさず「痩せた」と答える藤原さん。見えない苦労がうかがえます。

自分で店づくりにがっちり関わったそうで、むしろ大工か?というくらいに、あれもこれも手づくりしたとのこと。藤原さんの感想としては「もう2度とやりたくない」と即答でした! 理由はプロに任せた方がきれいだし、期限を守ってくれる。自分でやると思い入れができるかな?と思ってやったけど、本当に大変だったとのこと。横から横山さんが「床も全部自分で貼って、トイレのタイルだって、隅の方まで一枚一枚大きさを合わせて1週間くらいかけて貼っていました」「普通はここまでなかなかやれません。そもそも職人さんも嫌がりますし。今回は藤原さんの熱意を職人さんが応援してくれたんです」とフォロー。こんなところでも、チームワークのよさを感じました。

投資型クラウドファンディングでみんなに恩返し

今回おそらくは松本では初となる投資型クラウドファンディングを取り入れたことについても、実情と裏話がうかがえました。

開業資金については当初、全額の銀行融資が通らず、足らず分を集めるためにと考えていたそうです。しかし、松本に移って3年。友人と二人で始めた事業の経験や今回の開業のために用意した事業計画書の内容が認められたのか、なんと申請した全額の融資が通ったそうです。

ではなぜ投資型クラウドファンディングを、この日をもって募集開始に踏み出したかというと「つながりたい」という想いから。これはハロー!RENOVATIONの「参加型」の考え方に通じるものです。それを藤原さんは、とても自然体で、「お金というよりも交流」とか「松本でおもしろいことがしたい」とか「いろんな人にお世話になってここまで来られたから、これからも」という気負いのない言葉で言い表していました。

事業はお金があれば始められるかもしれませんが、継続させるにはたくさんの方とつながって、さらにつながり続けいていないと持続しないということを体得されているようなものだと思います。

投資家特典に「一日ダイナー店長」や「貸し切りOldies b Goodies」が入っているのも、これからチャレンジする人のために体験という価値を提供し、応援の場となればと考えてのことだそうです。自分だったら、をかたちにしたとても実践的な内容だったということが想いを聞いてよく分かりました。

藤原さんの想いに共感した人、松本をいいまちにしたい人、これから自分のお店を持ちたいと考えている人、このプロジェクトに参加しませんか?

お店を利用するのもInstagramをフォローするのも参加のかたちですが、今なら投資家として参加し、事業を間近で見て、疑似体験することができます!

以下のファンドに至るストーリーをぜひチェックしてください!

▼過去記事:

松本にみんなでまちのダイナー「Oldies b Goodies」をつくっちゃおう!夜の部[開催レポート] https://hello-renovation.jp/topics/detail/5813

松本にみんなでまちのダイナー「Oldies b Goodies」をつくっちゃおう!昼の部[開催レポート] https://hello-renovation.jp/topics/detail/5814

▼投資型クラウドファンディング:
松本和泉町伍蔵再生ファンド https://hello-renovation.jp/renovations/6835

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