「共創」について考える。福田和則研究室レポート(2)
こんにちは! 次世代まちづくりスクール「福田和則 研究室」TA(ティーチングアシスタント)の矢吹です。
11月21日に第2回のゼミが開催されました。1カ月ぶりの集合にワクワク……!
進行中のプロジェクトの課題について考える
実は前回のゼミのあと、エンジョイワークスの牧寛之プロデューサーからメンバーに宿題が出されていました。
内容は牧プロデューサーが現在関わっている、福岡県糸島市に“ふだんリゾート”をコンセプトとした「二見ヶ浦プロジェクト」において、イベント参加者やリピーターが少ないことの原因究明と参加者増のための施策を考えるというものでした。
牧プロデューサーはこのプロジェクトに、現地で活動するプロジェクトリーダーを遠隔から後方支援するかたちで関わっているとのことで、鎌倉と福岡という遠距離でのプロジェクト進行の苦労もきっとあるのではないでしょうか。
そしてゼミ生から出た意見は……
「プロジェクトの魅力が伝わっていない」「ターゲットに届いていない」「メッセージが伝わってこない」「まずは地元の人にヒアリングを」など、なかなか辛口なものでした。
牧プロデューサーが自分だったらと思うと辛すぎる……。
しかし、牧プロデューサーがこのフィードバックを受けて、さっそく地域へのヒアリングを行い、コンセプトと進行方針の磨き込みを2週間ほどで仕上げてきたのには驚きました。
まさにいま、実際に動いている案件、プロジェクトが教材となりながら、ゼミ生と一緒にまちづくりを進めているのだと気が引き締まります。
ゼミ生プロジェクトの発表
続いてはゼミ生によるプロジェクトの発表です。
今回は千葉県館山市で客付専門の不動産屋さんを開業検討している藤本さんと、高知県四万十川市で地域おこし協力隊として赴任しながら遊休不動産を活用した場づくりを模索している土居さんの2名が発表されました。
プロジェクトのフェーズは異なるお二人ですが、そのときどきに注意したほうがいいこと、知っておいたほうがいいことなど、福田教授はじめエンジョイワークスのプロデューサー 、さらにゼミ生からもたくさんのアドバイスがありました。
中でも実践的だと感じたのは福田教授の情報ツールの使い分けのお話。
エンジョイワークスではプロジェクトを「認知」「理解」「共感」というフェーズごとにどんな人に届けたいかによって発信ツールを使い分けているそうです。SNSやwebサイトといったオンライン、イベントやクチコミといったオフラインを局面ごとに使い分けるのがポイントだとか。
自分が関わりたい土地の人に顔を売るために地道に交流を広げていく、というのも認知を広げるには欠かせないということを、実体験を交えて語ってくださいました。
さらに、「サウンディング」(地方公共団体が民間事業者の意見、提案等を把握すること)という言葉も初めて知り、公的事業にプレイヤーとして関わる門は思っている以上に開かれているのだなという学びを得ました。
プロデューサーNOW!
続いてはエンジョイワークスのプロデューサーが担当プロジェクトを紹介する「プロデューサーNOW」。
今回は一級建築士の資格もお持ちの濱口智明プロデューサー。
そのプロデュース方針と落ち着いたお話ぶりから、実直なお人柄がうかがえます。
濱口プロデューサーが携わってきたのは、京都の五條楽園エリアにある旧お茶屋さんをリノベーションした場づくりや、まさにこれから始まる、兵庫県たつの市の歴史的な街並みを「町ごとホテル」にしてしまおうというプロジェクト。
そのプロデュース方針にもあるように、濱口プロデューサーのプロジェクトは現地の会社や投資家など複数のプレイヤーを巻き込んだ「共創」であることが特徴的です。
ちなみに先日、兵庫県たつの市のプロジェクトの現地出張に、濱口プロデューサーの声かけで2名のゼミ生が同行しました!
現地の雰囲気を体感していると、より具体的なアイデアが浮かびそうですよね。
どこまでも実践的な「福田ゼミ」。
次回も楽しみです!
▼1回目のレポートはこちら!
https://hello-renovation.jp/topics/detail/9446
▼地域未来創造大学校 次世代まちづくりスクール(公式サイト)
https://hello-renovation.jp/machi-school
▼福田研究室
https://hello-renovation.jp/machi-school/lab/3