第1期最終回! 各プロジェクト、半年間の歩みを総まとめ。福田和則研究室レポート(6)

こんにちは! 次世代まちづくりスクール「福田和則 研究室」TA(ティーチングアシスタント)の矢吹です。半年間続いてきた「福田和則 研究室」ゼミも3月20日に開催された第6回をもって第1期が終了となりました。
今回はエンジョイワークスのプロデューサー及びゼミ生の皆さんがそれぞれこの半年に発表してきたプロジェクトのその後についてレポートします。

エンジョイワークス プロデューサーNOW
① 二見ヶ浦プロジェクト

半年前、第1回の福田ゼミで牧プロデューサーが発表したのが福岡県糸島市を舞台にアクティビティ拠点をつくるという「二見ヶ浦プロジェクト」でした。
当時、牧プロデューサーはオンラインのコミュニティ醸成について課題を感じていて、改善方法についてゼミの中で様々な意見が交わされたのを覚えています。
その後、牧プロデューサーはゼミ生の意見を踏まえて「ふだんリゾート」というプロジェクトコンセプトを整理し、コンセプトに沿ったコンテンツをオンライン、オフラインともに発信してこられました。それによりFacebookのいいねが20%増、新しい仲間も増えてきているということで、ゼミの議論がこういった形で成果につながっているのを大変嬉しく感じました。今後はよりオフラインのイベントに注力していき、5月にはファンドもオープン予定とのことです。

②たつの城下町ホテルプロジェクト

続いては、濱口プロデューサーが担当している兵庫県たつの市の「たつの城下町ホテルプロジェクト」。重要伝統的建造物群保存地区(重伝建地区)であるこの地にある空き家ストックの一つひとつを宿泊部屋と捉え、まち全体がホテルであるかのように見立てるプロジェクトです。
先の2月19日にはキックオフイベントも実施、1号棟もオープン間近ということで、いよいよ本格始動、というところでしょうか。

このプロジェクトでは「真の街並み保存とは暮らしや文化を引き継ぐこと」とし、それを達成するために多種多様な組織が連携していて、そのことが非常に強みとなっているというお話がとても印象的でした。

4月3日には「暮らしと観光の共存を考える」をテーマにしたイベントも開催予定こと。要チェックです!

③ペイント・ラウンジ

永田プロデューサーが担当されている「ペイント・ラウンジ」の舞台は大阪の下町、空堀にあるビルの2室。
プロジェクトリーダーであるグラフィックデザイナーの松下美沙子さんの下、「誰もが気軽に絵を描ける場所」づくりを進めています。
12月のゼミで発表した後、オンラインでのキックオフイベントと、より具体的なイメージを伝えていくためにオフラインでのプレイベントを実施。絵筆を手に取った皆さん、とてもいい笑顔をされていますね。

さらにゼミ生から出た意見を元に、当初は「最近あまり絵を描いていない人」としていたターゲット層をより明確化し、事業内容のブラッシュアップをはかっていった他、具体的な事業内容にも随所にゼミ生の意見が反映されているのがわかり、とても嬉しくなりました。

今後はオフラインのイベントも増やしていくということですので、関西エリアにお住まいの方は是非気軽に参加していただきたいと思います!(本当は私が参加したい!)

④葉山一色シェアハウス

世良プロデューサーが携わるのは、ものづくりをする女性をターゲットにした「葉山一色シェアハウスプロジェクト」。ゼミでは「参加型まちづくりをどうビジネスにしていくか?」ということと、「コロナ禍における情報発信・集客方法」というお題について議論しました。

「コロナ禍における情報発信・集客方法」については、「葉山一色シェアハウス」の全3回のイベント設計をもとに、現在の取り組みがシェアされたのですが、中でも印象的だったのは、先日開催された第1回のオンラインイベントにおいてイベント参加者の声をシェアハウス設計にいかされることになったとのこと。
これも福田ゼミでのゼミ生からの意見の反映ということです。

さらに、4月10日に開催予定の第2回イベントはオンライン+一部現地での開催を予定しており、このシェアハウスに必要な装飾品やしつらえを皆で考え、5月開催の第3回で実際に第2回で出たアイデアを物づくりしていくという段階を踏んだイベント設計になっているのだそう。

自分の声が建物や内装に活かされるとなると一気にプロジェクトが自分ごとになり、イベントの巻き込み力がアップするなと思いました。プロジェクトの魅力そのものはコロナ禍でもオンラインでも変わらないはずなので、いかに自分ごと化してもらうか、というのが大事なのだなと感じた事例でした。

⑤ニセコSDGs街区プロジェクト

先月のレポートでも紹介させていただいたこのプロジェクト。
担当の牧プロデューサーがゼミの中でお題として出された課題を、この1ヶ月の間にゼミ生の意見を反映しつつ実際のアクションにつなげているスピード感にはとても驚きました。

町民から町民へ、紹介していただく形でバトンをつなぐ「明日をつくる教室」でのインタビュー記事も回を増す中で町民講座での報告を行なったり、イベントを開催したり、確実にニセコの方々との距離を縮められていると感じました。

今後も町民と一緒にまちづくりを考える街区会議などを通して、まちの中にお金の循環が生まれること、外部から来た人と住民との接点をつくることで移住を促進すること、グランピングなど自然の中に「泊まる」を「住む」に変容させていくチャレンジ事業を生むこと、といった様々な目標に向かって推進させていくということです。

ゼミ生プロジェクトのその後

そして後半はゼミ生5人のプロジェクトのその後について。

千葉県館山市で客付専門の不動産屋さんを開業検討していた藤本さんは、この5ヶ月の間に無事免許を取得。
戸建ての建売と地元のことを発信するメディアの運営を軸にスタートを切ることになったそうです。その裏には近年の台風の影響で住宅が減ってしまった館山に、生活者を取り戻したい,という思いがあるのだとか。
福田教授も藤本さんの熱量を絶賛。今後困難があっても「何のためにやるか」をブラさない様に、とエールを送っていました。

高知県四万十川市で地域おこし協力隊として赴任しながら遊休不動産を活用した場づくりを模索していた土居さんは、計画していた物件を改めて見直し、リスクの高さに気づいたといい、事業は一旦持ち越し。地域おこし協力隊として仕事の範囲でできる可能性も広がってきたと言いますが、個人事業として不動産賃貸業に携わることへの意欲絶やさずに今後もチャレンジを続けると宣言される、とにかく前向きな姿に勇気をもらいました。

東京都世田谷で空き家となった築60年のご実家を活用した障がい者向けシェアハウス及び一般向けの賃貸が一体化した施設を計画されています。
建て直しか、リノベーションか、そのための資金繰りにはどうするか、障がい者をケアする人材はどう確保するか…といった課題があるものの、エンジョイワークスのサポートも得ながら、今後1年かけてプロジェクトを進行させていく予定とのことです。「社会公益性の高い賃貸ビジネスに移行していきたい」と話す速水さんの挑戦を私たちも引き続き見守り、サポートできればと思います。

そして、先月のレポートでもお伝えした京都リサーチパーク足立さんによる京都梅小路「クリエイティブタウン構想」はこの1ヶ月の間にもどんどんと進み、第1拠点となる「次世代ものづくりの実証実験の場」となるスペースが8月のオープンに向けてリノベーション開始。さらに「くるり」岸田繁さんとのコラボレーション企画「岸田プロジェクト」と銘打ち、水面下でわくわくすることが進んでいるそう!
今後もゼミ生とこのプロジェクトについて考える機会をいだけるそうなので、是非京都にも伺いたいなと、ワクワクが止まりません。

最後に私、矢吹が提案していた奄美大島・加計呂麻島でのローカルツーリズムの拠点作りのプロジェクトについて。
拠点となる場所探しに苦労しそうだったものの、このゼミの中で「場所がないならオンラインでもいいからまず始めてみよう」という助言をいただき、場所を持たず、自分自身が出向くというスタイルで始めることに決め、今はその準備期間中です。

半年間、様々なプロジェクトの事例を見せていただく中で勉強することはたくさんありました。コンセプトやターゲットを明確にすること、仲間となる人の巻き込み方、避けては通れない資金の話…。

しかし、福田教授も「思いやパワーがある人はどんな選択をしても上手くいく」とおしゃっていた様に、結局は思いや覚悟、やるきる力というのが何よりも大事なのだろうと改めて感じました。

例え小さな動きでも続けることを止めないように、今後も自分のプロジェクトを進めながら、今回出会ったみなさんの今後についてもずっと応援し続けたいと思います。

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